足の痛み

自然の中で自由に走り回って遊ぶ子供たちは年々姿を消してきています。からだの硬い小学生、足首が硬くてしゃがむと後ろに転ぶ大人たち、常に体重を支える足は様々な不具合を抱えています。当院では足に関する痛みに対して診察や精密検査をおこないリハビリテーションや手術治療を専門的におこない治療しています。

足の軟骨損傷

足首の捻挫のあと、痛みが改善しない方の中には足関節を構成する骨の一つである距骨(きょこつ)に軟骨損傷や骨壊死を生じていることがあります。ギプスの固定や免荷(体重をかけない)では治療効果は限定的です。痛みが続く場合は足関節鏡を用いた手術での治療が適応となり、骨軟骨移植術で軟骨を再生させています。足首の関節はすきまが狭いためこれまで手術の際は足に金具を刺してひっぱる必要がありましたが、当院では専用の足牽引器具を用いて余分なきずをつけずに手術をおこない、足関節専用の細い関節鏡器具を用いて治療を可能にしています。

足関節鏡専用の牽引装置

足関節鏡専用の牽引装置

前距腓靭帯損傷(ぜんきょひじんたいそんしょう)

足関節の捻挫では外側の靭帯を損傷することが多く、超音波のエコーやストレスX線検査(専用の器具で力をかけて撮影するレントゲン)やMRI検査で診断が可能です。治療は主に保存的にギプスなどで外固定を行います。痛みが落ち着けば、その後装具を装着しながらリハビリテーションを行います。捻挫は繰り返さないことが大切ですので、リハビリで機能を改善して再受傷を予防します。捻挫を放置したり何度も繰り返したりしている場合は足関節外側の靭帯、特に前距腓靭帯が修復されず不安定性が残存するため手術を要します。靭帯が残存している場合はアンカーとよばれる糸を骨に埋め込んで残っている靭帯を縫縮して骨に固定し直します。しっかりした靭帯が残っていない場合は膝の内側から薄筋という腱を採取し、これを束ねて靭帯の代わりとして足に移植します。術後はギプスで4週間固定します。その後リハビリテーションを行い、足部の筋力強化やバランス訓練で再受傷を予防します。

ストレスレントゲン写真で不安定性が改善しているようす(術前)

(術前)

ストレスレントゲン写真で不安定性が改善しているようす(術後)

(術後)

ストレスレントゲン写真で不安定性が改善しているようす

足底腱膜炎(そくていけんまくえん)

常に体重のかかる足部は様々な問題をかかえます。ジョギングやマラソンで足の裏にある足底腱膜にというすじに負担がかかると炎症が起きて歩き始めの荷重時にかかとに痛みを生じます。注射などの投薬治療で、リハビリテーションで足部の柔軟性を取り戻す治療をおこないます。難治性の場合は内視鏡下の腱切離手術により治療しています。

理学療法士からの指導用パンフレット(扁平足用)

理学療法士からの指導用パンフレット(扁平足用)拡大はこちら


腱内視鏡での足底腱膜切離手術のようす

腱内視鏡での足底腱膜切離手術のようす

外反母趾(がいはんぼし)

足部の疲労や筋力低下により扁平足を生じると外反母趾が発症します。アーチサポートというインソールを作成し足のアーチを形成して変形の進行を予防します。痛みで日常生活に支障をきたしたり靴の制限が出る場合は骨切り手術で変形を治しています。

外反母趾手術にて骨の突出が改善しているようす(術前)

(術前)

外反母趾手術にて骨の突出が改善しているようす(術後)

(術後)

外反母趾手術にて骨の突出が改善しているようす

診療科ページへ戻る