診療科の特色
Diagnostic Imaging:
全身の臓器が対象となるため、病理診断科同様、非常に守備範囲が広いのが放射線診断科の特徴です。患者さんの主科や紹介元の先生が変わっても、当科に画像検査で受診される限り、画像を通じて継続的に患者さんの経過と健康を見守り続けている診療科です。2006 年に部門画像サーバーを導入して以来、CT, MR については、全ての画像が保管されています。一般撮影や透視検査についても、過去10 年以上にわたり経過を追跡出来る環境にあります。紹介受診された際に持ち込まれた画像も併せて保管しています。これらの画像を活用し、今現在、患者さんが困っておられる問題点を解決できるような読影を心がけています。最近では装置の高性能化で撮影範囲が全身に及ぶことも多く、相対的な人員不足が益々深刻化しています。偶発的に悪性疾患などの危険な病変が見つかるケースにも時々遭遇します。このようなsilent killerdisease の発見にも細心の注意を払う必要性から、読影時間の確保にご協力お願いいたします。当科の画像診断の最大の特徴は、撮影された画像をただ読影するのではなく、装置の特性を最大限に引き出せるよう、技術科のスタッフと随時検討しながら、撮影の工夫を行っている点です。画像が撮影される前から積極的に関わることで、より質の高い検査が提供できると考えています。生成型AI を含め、AI の積極的活用も行っています。AI を使いこなすにも、画像診断に関する知識が必要と実感しています。
Interventional Radiology:
主治医となることはありませんが、主科の依頼で、院内のニーズに合った interventional radiology( IVR)を提供しています。患者層の高齢化によりIVR のような比較的低侵襲な治療のニーズは益々高まると予想されます。また、各診療科の治療技術の進歩に伴い、IVR が併用されるケースも増えてきています。IVR は外科的介入に比べると低侵襲なため、残念なことですが、充分なトレーニングを受けないまま安易に手を出したがる医師を今でも見かけます。当科のIVR の特徴は、IVR の専門知識に基づいた愛護的手技の徹底を最優先に、万が一、トラブルが生じた際でも各科のバックアップが得られるような体制のもと、独走することのない環境での実施を心がけています。術中の被曝線量の管理にも細心の注意を払うことで、患者、術者はもちろんのこと、サポートしてくれるスタッフの職業被曝にも正面から向き合っています。常勤医のみで対応できない特殊な手技に関しては、京都大学放射線診断科の応援を得ながら、求められるIVRの提供を行っています。
病棟のベッドは各診療科にお借りしており、ご紹介いただく場合は、主科となっていただける診療科にご相談お願いいたします。
● Nuclear Medicine:
核医学については、近年、内用療法に使用できる薬剤が多数開発されました。最近では、短期入院の必要な薬剤が認可されました。今後も同様の薬剤が少しずつ増えてくるようですが、当科では内用療法のために入院できる体制が整わず(必要な病室の改築ができないため)、適応のある方には近隣の然るべき施設をご紹介しております。