院長あいさつ
高度急性期医療の充実

 京都桂病院は昭和12年に結核療養所、松尾病院として創設され、昭和39年に時代の方向性や疾病構造の変化、地域の要望に応えるかたちで、京都桂病院と名称を変更し総合病院となりました。その後、各診療科が設置され、呼吸器センター、消化器センター、心臓血管センターを核として発展し、2017年11月に脳卒中センターを開設し血管内治療も含めすべての脳神経疾患にも対応できるようになりました。また2015年に開設された救急科を核としてすべての科の協力を得て救急を充実させてきました。さらにより高度ながん医療に対応するため高精度の放射線治療器や手術支援ロボット、ダ・ヴィンチも導入して多くの治療が行われ、がんゲノム医療連携病院にも指定され、緩和病棟も20床新設しました。


 2021年度は救急車の搬入件数が4770台となりました。地域の方が心筋梗塞などの循環器の疾患、脳卒中などの脳神経の疾患、吐血・下血などの消化器の疾患、呼吸困難や喀血などの呼吸器の疾患、その他、急病になられた時に頼りにされる病院を目指してゆきたいと考えております。また、待望の新棟GH棟が20202月より稼働し大幅に療養環境が改善されました。令和4年度には、1階に救急ERCTMRI,アンギオなど集約した放射線部門、2階に内視鏡やエコーを集約した内視鏡センターおよび手術室の増設、3FにHCUICUSCUを計24床備えた新棟をF棟跡地に建築します。


 2020年・2021度は新型コロナウィルス感染症(COVID-19)に翻弄された年となりました。COVID-19の社会への影響としては多くの不自由さや困難さをもたらしましたが、次第に感染対策を行いながら経済活動や医療活動も通常に戻してゆくフェーズに入ってきました。

 日本は少子高齢化社会に突入し、この地域でも、疾病構造、治療方針なども変化して行くことが予想されます。本院は地域医療構想に沿って、急性期・高度急性期の医療をさらに充実させ地域に貢献してゆきたいと考えております。

本年度の行動方針は「高度急性期医療の充実」としました。デジタル化を基盤とし、コロナ渦における社会・価値観の変容にコロナ後のニュー・ノーマルの視点も加味して新入院増加を目指して病院運営を進めて行きたいと考えています。新たな入院は紹介からと救急からの入院が考えられますが連携の強化による紹介患者の増加と救急からの入院ともに増加させたいと考えています。

 以上のことがらを考え、本院のvisionである「一番大切な人を受診させたい病院になる。治療を受けてよかった、治療を受けたい病院になる。働いてよかった、働きたい病院になる」の実現をめざしてゆきたいと思います。