消化器センター・消化器内科

診療科からのお知らせ

診療科の特色


消化器内科は、消化器センター内科部門として、
1、消化管領域
2、胆膵領域
3、肝臓領域
各領域の専門医・指導医を含む18 名の医師で、多様な消化器疾患に対して安全で質の高い医療を提供しています。2023 年1 月に消化器内視鏡・超音波センターが新B 棟でリニューアルし、広々とした開放感のある明るいスペースで、多くの方に鎮静剤を用いた楽な検査を受けて頂くことが可能となりました。また、急性期・高度急性期医療の充実のため24 時間体制で緊急処置に対応すると共に、地域がん診療連携拠点病院としてがん診療の質の向上のため外科や腫瘍内科、放射線科、緩和ケア科と協力し、個々の症例に応じた診療を行うよう努めています。

消化管領域

消化管癌に対しては、最新の内視鏡機器を用いてがんを早期かつ正確に診断し、内視鏡治療や外科手術、化学療法、放射線療法にて適切な治療を行っています。早期の食道癌や胃癌、大腸癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は導入以来2000 例を超える症例に施行し、体への負担が少なく根治性の高い治療を提供しています。また近年増加している炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)に対しては、免疫調節剤や白血球除去療法、分子標的治療薬などを用いて、ガイドラインに基づいた治療に取り組んでいます。

胆膵領域

内視鏡的逆行性胆管膵管造影法(ERCP) に加え、最新の超音波内視鏡を用いた精度の高い検査にて膵癌や胆道癌の早期診断と根治をめざした治療に取り組んでいます。総胆管結石性胆管炎や胆石性膵炎に対しては緊急の胆道ドレナージ・結石除去術で対応しております。超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)も導入後10 年以上経過しました。さらにその技術を応用し,超音波内視鏡を用いた胆道ドレナージ術など先進的医療も展開しています。

肝臓領域

肝細胞癌に対しては、経皮的ラジオ波焼灼術(RFA)、肝動脈化学塞栓療法(TACE)、薬物療法などの標準治療を当科で施行することで、適切な治療を、適切なタイミングで行っています。さらに、放射線治療科と協力し、放射線治療も積極的に施行しています。また、超音波検査士と共同で、質の高い腹部超音波検査を行い、肝炎ウイルス、自己免疫性肝疾患、脂肪肝などに対しても積極的な診療に取り組んでいます。


消化器がん

がん診療連携拠点病院として外科や腫瘍内科、放射線科と協力し、適切な集学的治療を行っています。がん化学療法に関しては、免疫チェックポイント阻害薬や新規分子標的薬も含め日々進歩する治療を積極的に行っており、腫瘍内科を中心に当科も協力して、癌ゲノム医療への対応も進めています。また、緩和ケア科と連携し、がんやその治療に伴うお体のつらさをできるだけ和らげることにも努めています。

内視鏡・超音波センターがリニューアルしました


 20231月に新B棟が完成し、内視鏡・超音波センターは新B2階に移動し新しくなりました。内視鏡超音波センターは胃カメラや大腸カメラを行う消化管内視鏡部門と、エコー検査をおこなう腹部超音波部門、膵臓や胆嚢・胆管の検査を行う胆膵内視鏡部門に分かれています。それぞれの部門で消化器内科の指導医・専門医と専攻医が日々消化器疾患の検査と治療を行っています。

楽にリラックスして検査や治療を受けていただくために開放感のある明るい内視鏡・超音波センターになりました

 内視鏡や超音波を用いた検査や治療は身体的・精神的なストレスがかかることがあります。患者さんに少しでもリラックスして頂けるよう、新しい内視鏡・超音波センターは、フロア面積が約1.4倍に増え、天井も高く、窓も多くなり、広々とした開放感のある明るいスペースになりました。

多くの方に内視鏡検査を楽に受けていただけるようになりました

 内視鏡検査は癌の早期発見のためにとても大切な検査ですが、不安や苦痛を強く感じる方が少なくありません。鎮静剤を注射すると苦痛や不安を軽くして楽に検査を受けていただけますが、検査後もウトウトと眠った状態になるため、しばらくの間ベッドで休んでもらうことが必要です。新しい内視鏡・超音波センターでは回復室のベッドを6台に倍増し、多くの方に鎮静剤を用いた楽な検査を受けて頂くことが可能となりました。また、患者さんの心拍や血圧、呼吸の状態はナースステーションでリアルタイムに監視することができますので、より安全な検査が可能となりました。

大腸内視鏡検査の準備するスペースも改善しました

 大腸内視鏡検査は、下剤を飲んで大腸の中をきれいに洗腸する必要があります。午前中にご自宅で洗腸して頂くことも可能ですが、なかには自宅で洗腸するのが不安な方もおられます。そのような方は、朝から来院して頂き、内視鏡・超音波センター内で下剤を飲用して洗腸することが可能です。以前は共用のトイレでしたが、新しいセンターでは、トイレをそれぞれの患者さん専用として感染対策とプライバシーに配慮しています。トイレの面積も約1.5倍となり、ロッカーも設置し、できるだけリラックスして検査の準備をして頂けるようになりました。

精度の高い診断と安全で確実な治療を行うために

 内視鏡・超音波センターでは、検査だけではなく、早期胃がんや大腸がん、肝臓がん、胆石の治療も行なっています。さらに、24時間体制で消化管出血に対する緊急止血術や急性膵炎・胆管炎、閉塞性黄疸等の緊急処置に対応しています。内視鏡治療室は広いスペースを確保し、最新の内視鏡機器を導入して安全で確実な治療を行なっています。胆膵内視鏡室では大型のモニターを導入し、内視鏡画像とレントゲン画像、CTMRI画像をひとつのモニターで確認しながら適切な治療を可能としました。さらに患者さんの血圧や心電図、血液酸素濃度も同じ画面で確認できますので安全性が向上しました。肝治療室では最新の超音波診断装置を用いてCTMRI画像を対比しながら、確実で安全な肝腫瘍の治療を行なっています。

 このように新しい内視鏡・超音波センターでは、これまで通りの精度の高い診断と安全で確実な治療を維持しながら、これまで以上に楽にリラックスして検査や治療を受けて頂けます。

対象疾患

対象疾患 具体的傷病名
上部消化管 食道癌、胃癌、十二指腸腫瘍、GIST、悪性リンパ腫、食道胃静脈瘤、胃十二指腸潰瘍、ヘリコバクターピロリ菌感染症、自己免疫性胃炎
下部消化管 大腸癌、憩室炎、憩室出血、潰瘍性大腸炎、クローン病、虚血性腸炎、感染性腸炎
胆道 胆嚢癌、胆管癌、胆石症、総胆管結石症、閉塞性黄疸、胆管炎
膵臓 膵臓癌、急性・慢性膵炎、自己免疫性膵炎、嚢胞性膵疾患
肝臓 肝細胞癌、肝内胆管癌、急性肝炎・慢性肝炎、肝硬変、自己免疫性肝炎、アルコール性肝障害

消化器内科受診をお考えの皆様へ

1、外来診療は「かかりつけ連携医」の先生からの紹介状をお持ちの方や、再診予約のある方を優先します
 京都桂病院の消化器内科は、入院や処置が必要な患者さん、他院で対応困難な検査や治療が必要な患者さんに専門的な医療を提供する役割を担っています。そのため外来診療は、「かかりつけ連携医」の先生からの紹介状をお持ちの方、再診予約のある方を優先しています。もちろん紹介状をお持ちではない方や予約外の患者さんの診察も可能ですが、待ち時間が長くなることもありますのでご了承ください。

2、「かかりつけ連携医」の先生からの紹介で受診予約や検査予約が可能です
 京都桂病院の消化器内科では「かかりつけ連携医」の先生からの紹介で受診予約を受け付けております。病状や疾患に応じて消化管領域、胆膵領域、肝臓領域の専門外来を、短い待ち時間で外来受診が可能です。また、胃カメラや大腸カメラ、腹部エコー検査も「かかりつけ連携医」からの予約が可能であり、消化器内科外来での診察なしに直接検査が可能となっております.診察や検査をご希望の方はかかりつけ医の先生にご相談ください。

3、「かかりつけ連携医」を持ちましょう
 患者さんが「かかりつけ連携医」をお持ちになることは、当院の医師とは違う視点で病気の管理ができ、日常の健康相談や慢性疾患の継続治療に大きなメリットがあります。さらに、かかりつけ連携医の先生方と私たち消化器内科医が連携することで、患者さんに質の高い医療を提供することが可能となります。

連携医の先生方へ

 地域医療福祉連携室を介した腹部超音波検査・内視鏡検査のオープン検査予約は随時受け付けておりますが,最近では“ 苦痛のない楽な内視鏡検査” をという患者さんのニーズが高まっています。そのため、オープン検査予約の患者様にもご希望があれば鎮静下の苦痛のない楽な内視鏡検査に対応しております。苦痛のない楽な内視鏡検査により,定期的な検査が受けやすくなり,癌の早期発見に大きく寄与することになります。鎮静下の内視鏡検査を希望される場合は、オープン検査予約の際に気軽にご相談ください。



2023年診療実績

年間延外来患者数 22,574人
1日平均外来患者数 92.6人
年間延入院患者数 21,353人
1日平均入院患者数 58.3人
平均在院日数 10.7日
上部消化管内視鏡 8,102件
上部消化管内視鏡的粘膜切除術 22件
上部消化管内視鏡的粘膜下層剥離術 86件
下部消化管内視鏡 3,233件
外来大腸コールドポリペクトミー 471件
下部消化管内視鏡的粘膜切除術 351件
下部消化管内視鏡的粘膜下層剥離術 29件
小腸バルーン内視鏡 37件
小腸カプセル内視鏡 23件
内視鏡的逆行性胆管膵管造影 502件
超音波内視鏡 368件
超音波内視鏡下穿刺生検法 68件
超音波内視鏡下胆道ドレナージ 13件
腹部超音波検査 8,598件
肝生検/肝腫瘍生検 17件
経皮的ラジオ波焼灼療法 22件
腹部血管造影/肝動脈化学塞栓療法 48件
腹部血管造影/ 腫瘍出血・消化管出血止血術 7件
経皮的胆嚢/ 胆道ドレナージ/ 肝膿瘍ドレナージ 25件

教育認定・学会等認定施設

  • 日本消化器病学会認定施設

  • 日本消化器内視鏡学会 認定指導施設

  • 日本肝臓学会 認定施設

  • 日本胆道学会 認定指導施設

  • 日本膵臓学会 認定指導施設

  • 日本消化管学 会認定指導施設

  • 日本超音波医学会 認定施設

  • 日本肝癌研究会 施設会員

  • 日本大腸癌研究会 施設会員

  • 藤井 茂彦 副院長 統括部長
    担当・専門分野 内視鏡診断・治療

    消化管疾患

    資格など 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医

    日本内科学会内科指導医

    日本消化器病学会専門医・指導医・支部評議員・本部評議員

    日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・学術評議員

    日本食道学会食道科認定医



  • 池田 敦之 部長
    担当・専門分野 肝臓病治療

    消化器内科全般
    資格など 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医

    日本内科学会内科指導医

    日本消化器病学会専門医・指導医・支部評議員・本部評議員

    日本消化器内視鏡学会専門医

    日本肝臓学会肝臓専門医・指導医・支部評議員

    日本超音波医学会認定超音波専門医・指導医

  • 畦地 英全 副部長
    担当・専門分野 肝臓病治療

    消化器内科全般
    資格など 日本内科学会認定内科医

    日本内科学会内科指導医

    日本消化器病学会専門医・指導医

    日本肝臓学会肝臓専門医・指導医

    日本臨床栄養代謝学会認定医
  • 中井 喜貴 副部長
    担当・専門分野 内視鏡診断・治療

    胆膵疾患
    資格など 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医

    日本内科学会内科指導医

    日本消化器病学会専門医・指導医・支部評議員

    日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・学術評議員

    日本消化器がん検診学会総合認定医

    日本胆道学会認定指導医・評議員

    日本膵臓学会認定指導医
  • 田中 泰敬 副部長
    担当・専門分野 内視鏡診断・治療

    消化管疾患

    資格など 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医

    日本内科学会内科指導医

    日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・支部評議員

    日本消化管学会胃腸科専門医・指導医・代議員
  • 荒木 理 副部長
    担当・専門分野 内視鏡診断・治療

    胆膵疾患
    資格など 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医

    日本内科学会内科指導医

    日本消化器病学会専門医・指導医・支部評議員

    日本消化器内視鏡学会専門医
  • 中村 武晴 副部長
    担当・専門分野 消化器内科全般

    胆膵疾患
    資格など 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医

    日本内科学会内科指導医

    日本消化器病学会専門医・指導医

    日本消化器内視鏡学会専門医

    日本肝臓学会肝臓専門医
  • 寺村 茉利 医長
    担当・専門分野 消化器内科全般

    内視鏡診断・治療
    資格など 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医

    日本内科学会内科指導医

    日本消化器病学会専門医

    日本消化器内視鏡学会専門医

    日本肝臓学会肝臓専門医
  • 青木 謙太郎 医長
    担当・専門分野 消化器内科全般
    資格など 日本内科学会認定内科医

    日本消化器病学会専門医

    日本消化器内視鏡学会専門医

    日本肝臓学会肝臓専門医
  • 德林 佑美 副医長
    担当・専門分野 消化器内科全般
    資格など 日本内科学会内科専門医

    日本消化器病学会専門医

    日本消化器内視鏡学会専門医

    日本肝臓学会肝臓専門医
  • 黄 宣輔 医員
    担当・専門分野 消化器内科全般
    資格など 日本内科学会内科専門医
  • 世木 美壮 医員
    担当・専門分野 消化器内科全般
  • 土壁 千夏 医員
    担当・専門分野 消化器内科全般
  • 渡辺 俊介 医員
    担当・専門分野 消化器内科全般
  • 松本 峻和 専攻医
    担当・専門分野 消化器内科全般
  • 中川 理花 専攻医
    担当・専門分野 消化器内科全般
  • 若林 輝 専攻医
    担当・専門分野 消化器内科全般
  • 國立 裕之 顧問
    担当・専門分野 肝臓病治療

    消化器内科全般

外来担当医表

1診 午前 荒木 中井 田中 藤井 中村
午後 荒木
(胆・膵)
中井
(胆・膵)
田中
(消化管)
藤井
(消化管)
中村
2診 午前 畦地
(肝臓)
寺村 國立
(肝臓)
池田 青木
午後 畦地
(肝臓)
寺村 國立
(肝臓)
池田
(肝臓)
青木
3診 午前 渡辺 土壁 世木
午後 渡辺 土壁 世木
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