診療科の特色
当科では各種悪性腫瘍(がん)、一部の良性疾患(ケロイド、甲状腺眼症など)に対する放射線治療(外部照射)と放射線同位元素(RI)内用療法を行っています。
2013年12月より呼吸で移動する腫瘍を追いかけて治療する「呼吸追尾照射」にも対応した高精度放射線治療装置(リニアック)として三菱重工製vero4DRTが稼働しています。
三次元照射(3DRT)、画像誘導放射線治療(IGRT)や脳や肺、肝臓などへの定位治療(SRT)の他、2014年6月からは強度変調放射線治療(IMRT)、2014年7月から肝臓、2015年6月より肺に対する呼吸追尾照射も開始、2016年12月よりは京都大学に引き続いて膵臓がんに対して、追尾照射とIMRTを組み合わせた「呼吸追尾IMRT」も開始しています。
2016年6月より新型汎用治療装置(エレクタ製Versa-HD)も稼働しました。
三次元照射(3DRT)と画像誘導放射線治療(IGRT)、2017年3月より回転強度変調治療(VMAT)を開始しています。また西日本では初導入のX線を使わない、光学式に体表面をスキャンする新しいIGRTデバイスであるCatalyst、超音波を用いたIGRTデバイスであるClarityも導入し、新時代のIGRTにも対応しています。
また2014年6月から放射線診断科と共同でがんの転移性骨腫瘍に対する疼痛緩和を目的とした89Sr(メタストロン®、2018年度で供給中止)、2016年からは悪性リンパ腫に対する90Y(ゼヴァリン®)と去勢抵抗性の前立腺癌に対する223Ra(ゾフィーゴ®)、 2018年からは糖尿病・内分泌内科と共同で甲状腺機能亢進症に対する131I(ヨード)の放射性同位元素(Ri)内用治療も行っております。
このようなRI内用療法を数多く行う施設は国内でもまだ少なく、当院は京滋地区では随一、全国でも有数の治療実績があります。
放射線治療
放射線治療は、手術、化学療法と並ぶ「がん治療三本柱の一つ」です。
放射線治療は基本的に局所的な治療で、他の治療法に比べて体の負担が小さいといった特徴から、早期がんに対する治癒を目指す根治治療から転移がんに対する緩和的な(症状を和らげる)治療まで幅広く用いられます。
がんの治療においては、がんの種類、進行状況、全身状態により患者さんにとって最適な治療法を組み合わせることが大切です。
そのため、当科として病床はもっていませんが、院内外の各科の先生方と連携して治療にあたり、特に初診時には放射線治療についてなるべくわかりやすく説明し、患者さんにご理解、納得して治療を受けていただけるよう心がけています。
放射線治療は専従の放射線品質管理士、放射線治療認定技師を含む7名の技師と1名のがん放射線治療看護認定看護師が携わっています。小線源照射装置は所有していませんので、必要な際は他院(京大病院、京都市立病院)での治療を紹介しています。