手指の痛み、しびれ

手指の痛み、しびれ

手は人間にとって特別な部分です。日常生活において手は非常に重要な役割を果たします。顔を洗う、スマホの操作、触れてみるなどの手段として、また、感覚器として欠かせないものです。このように人間に不可欠な手のけがや病気を治療する診療科が手の外科です。当院では手に関する痛みや手のしびれに対して診察や精密検査を、必要となれば手術治療を専門的におこなっています。下記のような手の外科の代表的疾患に対応しています。

弾発指(ばね指)

指の痛みが長期間つづき、最終的には引っかかる、痛くて伸ばせない、曲がったままになるなどの症状が出現します。指は屈筋腱が指の骨を牽引することで曲がります。この時屈筋腱が引っかからなく滑走することが必要ですが、屈筋腱やその通り道である腱鞘が炎症をきたすと引っかかりが生じ、指の曲げ伸ばしがスムーズでなくなったり痛みを生じたりします。当院では外来手術で弾発指の手術加療を行っています。小手術ですが手全体を消毒し、感染に注意して手術を行っています。

手術中の写真。屈筋腱を引き出して引っかかりを確認しています。

手術中の写真。屈筋腱を引き出して引っかかりを確認しています。

手根管症候群

手の親指から中指、薬指にかけてしびれる、痛みがある、親指が動かしにくいなどの症状が出現します。手首で正中神経という神経が圧迫されることが主な原因です。当院では神経伝導検査という、神経を流れる電気のスピードを測定する検査で診断を行い、主に内視鏡を用いて手術を行っております。内視鏡ですと、皮膚切開は約1㎝を2か所と傷が小さく、術後も疼痛が少ないです。内視鏡が可能かどうかは診断や病状にもよりますので担当医にご相談ください。

内視鏡で手術を行っています。

内視鏡で手術を行っています。

両手とも手根管症候群に対して内視鏡で手術を行っています。創部は小さく目立ちません。

両手とも手根管症候群に対して内視鏡で手術を行っています。創部は小さく目立ちません。

母指CM関節症(親指の付け根の変形性関節症)

物をつまむ、ビンの蓋を開けるなど親指に力がかかるときに親指の付け根に痛みが生じます。親指はつまむ、つかむ、といった動作で必ず動員される(ほかのどの指を使うときも親指と対をなして使うことがほとんど)ので、負担がかかりやすいです。しかも親指はほかの指と違って手の甲の部分から動くので、親指の付け根のさらに手前のところが痛みがちです。レントゲン検査で母指の付け根のさらに手前の関節(第1手根中手関節:CM関節)に変形が見られます。鎮痛剤(飲み薬や貼り薬・塗り薬)やサポーターのような装具を用いた治療をまず行いますが、それでも痛みが強い場合には関節形成術や関節固定術などの手術を行っております。

(術前 指の付け根●よりもさらに手前〇の関節が変形している。)

(術前)
指の付け根●よりもさらに手前〇の関節が変形している。

(術後 変形した大菱形骨を除去している)

(術後)
変形した大菱形骨を除去している

CM関節症に対する関節形成術

肘部管症候群

手の小指側がしびれる、細かいことが動かしにくい、手の筋肉がやせてきたなどの症状が出現します。肘関節の内側(机の角などにぶつけるとびーんと小指までしびれるところ)で尺骨神経という神経を圧迫することが主な原因です。当院では神経伝導検査という、神経を流れる電気のスピードを測定する検査で診断を行い、症状に応じて手術を行っております。肘の骨に変形がある場合は神経を圧迫する骨を削りますし、また圧迫を受けない場所に神経を移すことも行っています。

ガングリオン

中に粘液状の物質が詰まった袋状の腫瘤で、多くは関節包や腱を包む膜と連続しています。手関節の背側や掌側にできることが多く、MRIで明瞭に描出されます。神経を圧迫している、痛みが強いなどの症状があり、しかもそれを繰り返すなど重症になれば手術的に切除します。

手関節の甲側にできたガングリオン

手関節の甲側にできたガングリオン

手の骨折やけが

事故や運動中の突き指などによる手の骨折に対しても可能な限り迅速に対応しています。

(手術前)

(手術前)

(手術後)

(手術後)

左手の人差し指の骨折

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