RI検査
RI検査とは
RI検査は放射性同位元素(Radio Isotope)を用いた放射性医薬品を体内に投与して検査を行います。
投与された放射性医薬品は目的の臓器や組織に集積し、そこで微弱な放射線を放出します。
その微弱な放射線をガンマカメラと呼ばれる専用の装置で体外から測定し解析することで、臓器の代謝や機能を画像にすることができます。
放射性医薬品の体内分布や挙動を画像化することをシンチグラフィといいます。
これらの情報は診断において大きな役割を持ち、様々な部位の検査が行われています。
当院のガンマカメラ
SIEMENS社製 Symbia S
検査時間や放射性医薬品を投与してから撮影開始までの時間は検査ごとに異なります。
また、検査を行うにあたって前処置(絶食や投薬)が必要な検査があります。
必要な前処置をしていない場合、検査を実施できない場合もありますのでご注意ください。
ご不明な点は診察スタッフや検査担当者にお問い合わせください。
放射性医薬品は検査薬としての寿命が非常に短く、その多くは検査当日にしか使用することができません。万が一キャンセルをされる際は検査前日までにご連絡ください。
放射性医薬品を身体に投与するということで放射線被曝を心配される方が多くいらっしゃいます。
当院では医療被曝に関するガイドラインに則り、適切な投与量を遵守しておりますので安心して検査を受けてください。
当院での代表的なRI検査
脳血流シンチグラフィ
脳血流シンチグラフィは脳の各部位における血流分布や脳血流量を調べるための検査です。脳梗塞などの脳血管障害、認知症、てんかんなどの脳の血流に異常が生じる症例に行われます。統計解析ソフトを使用することで血流低下部位の見落としを防ぐことができます。
脳梗塞後の脳血流シンチグラフィ(左)と統計解析ソフト(右)
負荷心筋血流シンチグラフィ
心臓の筋肉に血液を運ぶ冠動脈の流れを調べるための検査です。薬剤で心臓に負荷をかけた状態と、横になって安静にした状態の画像を作り、2つを見比べて検査結果を出します。血流検査と同時に心機能を調べる検査を行うことでさまざまな心機能解析データを得ることができます。心筋梗塞、狭心症などの虚血性心疾患症例に行われます。
虚血性心疾患の負荷心筋血流シンチフラフィ(左)と心機能解析結果(右)
骨シンチグラフィ
骨の代謝を調べるための検査です。全身の骨を撮影し異常部位がないか調べます。悪性腫瘍の骨転移を診断するのに有用な検査です。骨転移の治療経過をみるために定量的な解析も行っています。
正常例
多発骨転移
骨シンチ定量解析
RI内用療法
RI検査室では検査だけではなく放射性同位元素を用いた放射線治療も行っています。放射性医薬品を投与し、身体の内側から放射線による治療を行うことをRI内用療法といいます。当院では下記のRI内用療法が可能です。
-
I-131 バセドウ病のアイソトープ治療
-
Y-90 RI標識抗体による悪性リンパ腫治療
-
Ra-223 骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌治療