京滋クリティカルケアヤングアカデミー2021夏セミナー
【投稿日】2021年7月31日(土)
昨年同様に熱中症や関連する疾病は
変わらず救急搬入がバンバン来ます。
それに加えて昨年は何とか増えていなかったCOVID19対応を
含めてわんさか患者が押し寄せます。
コロナ第5波とオリンピック。
テレビはオリンピックのウェイトが占めて、
医療情勢のひっ迫は殆ど伝えられなくなっています。
最高記録を更新しているのに、特に何も制限がかからず。
最早何をどうしたいのか分からない状況になっています。
その中で1日の救急車搬入件数、月間搬入件数共に記録更新…
8月は果たしてどうなるのやら。
お盆前後は高齢者の熱中症が爆発的に増えます。
是非墓参りの時は厳重に熱中症対策をお願いします。
先日、京滋クリティカルケアヤングアカデミーで
一般講演で発表させてもらいました。
「重症病態の栄養療法の始め方」
というテーマでお話させて頂きました。
早期経腸栄養の有用性、
カロリー設定、
投与経路について、
投与成分について、
をお話しました。
投与成分についての蛇足ですが、
最近HAT療法と言って、
ヒドロコルチゾン、ビタミンC(アスコルビン酸)、
ビタミンB1(チアミン)の組み合わせの効果を
示そうとした論文が何とこの2,3年で
7本も出ています。
CITRIS-ALI trial JAMA. 2019;322(13):1261-1270.
VITAMINS trial JAMA. 2020;323(5):423-431
ORANGES trial Chest, 2020;158,(1): 164-173
HYVCTTSSS trial Chest, 2020;158,(1): 174-182
ACTS trial JAMA. 2020;324(7):642-650
ATESS trial Intensive Care Med. 2020; 46(11): 2015-2025
VICTAS trial JAMA. 2021;325(8):742-750
結局有効性を結論付けられず。
大事なことは、
腸が使えるかどうか確認して、
基本に即して、カロリー計算、
少し蛋白の比率を高めにして、
ゆっくり経腸栄養を開始しましょう、
ということです。
他の成分は今のところは、
細かく考えず、既存の製剤を
使用することで十分、というのが
現在の重症病態栄養療法開始の考え方です。
もう一つの一般演題は、
洛和会音羽病院集中治療部の
O野先生による
心臓血管外科術後のICU管理についてと
特別講演は、広島大学の
志馬教授によるCOVID19の病態・治療等について
お話しいただきました。
大変実りある充実した内容の講演となり、
世話人以外はWeb開催でしたが、
Tの時は280人程度の視聴者がいたようで、
少しでも皆さんにとって、
有意義な時間になってくれていたことを願います。
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