栄養部門

NST特別講演会~幸せに健康に長寿を迎えるための新しい栄養学~

11月8日にNST特別講演会がありました。
今回は、京都府立医科大学大学院 医学研究科 生体免疫栄養学教授の内藤裕二先生にお越し頂きました。
内藤先生は腸内細菌叢をご専門に研究されており、テレビや書籍など幅広いメディアでご活躍されています。腸内細菌叢と聞くとなんだか難しそうなイメージが先行しますが、今回は「幸せで健康な長寿」という誰もが気になるテーマに繋がる形でご講演いただきました。

皆さんご存知の通り日本人の平均寿命は年々長くなっています。今後は人生100年時代かも、と言われているのを聞いたことがあるかもしれません。
しかし平均寿命と健康寿命の差はここ数年あまり縮まっておらず、単一的で持続しない幸せ「Happiness」だけを考える時代から、持続可能で多面的な幸せ「Well-being」を考えるようにならないと、健康寿命を延ばすのは難しくなっているようです。
そして、65歳以上の要介護者から介護が必要になった原因を見てみると、およそ80%はフレイルが由来になっており、フレイルの早期発見、予防対策が極めて重要と言えます。

ではどうやってフレイル対策をすればよいのでしょうか?
内藤先生は「栄養」「身体活動」「社会参加」の3つのポイントを挙げ、その中でも今回は栄養について詳しく語ってくださいました。

栄養面からフレイルを予防するのに要となるのが「腸」です。腸の虚弱化の概念を「ガットフレイル」と内藤先生は名付け、それをモニターするために「Personal Health Record(PHR)」として様々な取り組みをされています。身近なところだと、枚方市のふるさと納税で腸内細菌を調べられるサービスを始められたとか。ちょうどふるさと納税をしてみたいと思っていたところなので枚方市にしようかな・・・。

また、第1回世界長寿サミットの開催にも携わっているとのことで、なんとこちら京丹後市で開催されるそうです!
なぜ京丹後市?と思われるかもしれませんが、実は京丹後市は日本有数の長寿地域なのです。その長寿の秘訣に、栄養と腸内細菌叢が関係しているようです。京丹後地域の高齢者は豆類の摂取が特に多く、豆類に含まれている食物繊維が長寿に繋がる腸内細菌叢を形成するのでは?!とのこと。それを継続することが、どうやら寿命を延ばす鍵になるようです。

内藤先生のお話を伺う中で、長く広い視野で健康を考えることが、「Happiness」だけではない「Well-being」に繋がるのだな、と思いました。まだまだ長く続くであろう人生の中で、衝動的に食事を選ぶのではなく、腸に良い食習慣を形成し、継続していきたいです。
そして、内藤先生のように「地球全体の健康」に少しでも貢献できるよう、日々研究が進む腸内細菌について、これからも注目していきたいです!

栄養科 TM
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