皮膚科

マスクによる肌トラブル

2021/05/01

マスクによる肌トラブル

2020年以降、マスク着用が必須になっているご時世。昨年の今頃はマスク不足、アベノマスクなどの問題でしたが、昨夏以降はマスクによると考えられる皮膚症状がマスコミ等でも取り上げられるようになりました。某大臣が「マスクなんて暑くなって口の周りがかゆくなって、えらい皮膚科がはやっているそうだけど、いつまでやるんだね。マスクはいつまでやることになってるの」という発言もありました。いつまでかはわかりませんがしばらくマスク生活は続きそうです。

 

 そこで、マスクによる皮膚トラブルを紹介します。主に二つあります。ひとつは、マスクの擦れによる皮膚症状。もう一つは、蒸れなどによるニキビの悪化です。皮膚は非常に敏感な組織で、常に擦れていると皮膚炎が起こります。肌に優しい素材、刺激の少ないコットンやシルクなどの素材が良いと言われています。飛沫の問題となると不織布がよいので、直接皮膚に当たるほうを布にして、その上から不織布のマスクをするといったように2枚重ねでマスクを使用すると良いと考えられます。マスクが触れる頬や鼻、あごや耳の後ろにワセリンを塗っておくことによっても肌表面に保護膜を作り刺激を和らげる効果があります。べとつきが気になる方には好まれない方法かもしれません。

 ニキビに関しては蒸れによりアクネ菌が増殖してできることが多いので、外用治療が必要になります。マスクによる肌トラブル以外にも、手洗いやアルコール消毒などの皮膚トラブルが増えています。皮膚科外来でご相談ください。

 余談ですがマスク生活により、化粧が簡単になったので私自身は快適に過ごしております。趣味の山登りやランニングをするときのマスクは暑いですが、ネックウォーマをマスク代わりに使用しています。いつまで続くかわからないマスク生活ですが、少しでも楽しみながら過ごせるようにしたいものです。

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