血液内科

急性白血病の治療について

2020/10/01

急性白血病の治療について

●急性白血病とは?

 血液中の白血球、赤血球、血小板などの細胞は、骨の内部にある骨髄で造血幹細胞と呼ばれる細胞が元になってつくられます。急性白血病は、この造血幹細胞もしくは幼弱で分化が進んでいない段階の細胞がガン化した病気です。急性白血病は、「リンパ球性」と「骨髄性」にわかれ、それぞれがさらに細かく分類されます。なお、急性白血病と慢性白血病の違いは、病気の進行が急性か慢性かといった速さによる違いではなく、ガン化し増えた細胞の分化段階が幼弱なのか成熟したものなのかの違いで分類されます。したがって、慢性から急性へ変化するわけではなく、事前に発症を予測したり、早期に発見することは困難です。一部の白血病は遺伝的素因により家族性に発症するものもありますが、大半の白血病に遺伝性はありません。

 

●急性白血病の治療は?

 抗がん剤治療が中心です。最初は、寛解導入療法とよばれる治療で、白血病細胞を減らし正常の血液細胞を回復させることを目指します。その後、地固め療法や維持療法とよばれる治療で、白血病細胞を限りなくゼロにします。リンパ球性白血病と骨髄性白血病では、抗がん剤治療の内容は異なります。治療期間は、いずれの場合も半年程度の入院での治療が必要です。

 白血病のタイプによっては、抗がん剤治療のみでは根治が難しく、ドナーの方から提供された骨髄液や臍帯血などを使った同種造血幹細胞移植をおこなう場合もあります。

 特定の遺伝子の異常を伴った白血病では、その遺伝子異常のある細胞のみを攻撃する分子標的薬を併用した治療をすることもあります。例えば、BCR-ABL1という遺伝子をもつ白血病では、それに対する分子標的薬を併用するようになってから治療の結果は著しく改善しています。

 

●当院の血液内科について

 京都桂病院血液内科では、専門のスタッフにより同種造血幹細胞移植や新規薬剤含めた治療を提供でき、無菌室も完備して患者さんに安全に治療を受けていただく環境が整っています。患者さんが安心・安全に治療を受けて、元気に社会復帰されることの少しでもお役に立てればと願っております。

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