膠原病・リウマチ科

膠原病の治療

2020/07/01

膠原病の治療

筋肉・骨・関節や様々な内臓臓器に、免疫系が関与して病態を作ると考えられている疾患群を「リウマチ性疾患」と総称します。歴史的な背景から一般に流布している「膠原病」という用語と重なる領域です。その中では、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎/多発筋炎、血管炎、ベーチェット病などがよく知られている病気でしょう。
「膠原病」はかつて「難病」という言葉で表現せざるをえなかった疾患が多く含まれますが、近年画期的な薬剤が続々と開発され、治療に役立っています。中でも、病態の成り立ちの理解が進み、その鍵となる分子を制御する分子標的薬と呼ばれる薬剤は注目されています。この鍵となる分子は、細胞活性化に関わる細胞内信号伝達機構に位置する分子だったり、細胞同士の動員、活性化に関わるメッセージを媒介するサイトカインといわれる物質や、細胞表面分子です。例えば、関節リウマチでは、サイトカインであるTNFα、IL-6やT細胞活性化を抑制するCTLA4という細胞表面分子や、細胞内のJAKという分子が標的となります。こうした新しい薬剤は、化学物質として合成される従来型の低分子化合物だけでなく、生物学的製剤と呼ばれる、培養細胞を用いて作成するモノクローナル抗体やタンパク製剤です。こうした分子標的薬以外にも、これまでの難治性病態を打破する薬剤が続々と登場しています。しかし、必ずしも全ての患者さんが同じようによくなるわけでもなく、また折角有効であっても副作用で使えなくなるなど、残念な事象が消えたわけではありません。
疾患群の特徴としても、患者個々での病態、重症度は様々で、患者さん個々へ最適化をはかる必要があります。たとえこの領域の疾患を患うこととなっても、「難病」という言葉やネットなどに溢れる情報に振り回され過度に悲観的とならず、ご自分の病気とできるだけありのまま向き合って頂けるよう、様々なご希望、生活実態を踏まえながら、お手伝いさせていただくべく心がけております。

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