泌尿器科

尿のトラブルについて

尿のトラブルについて

尿のトラブルの代表的なものには、尿がでにくい、尿もれ、頻尿、血尿、排尿の時の痛みなど、さまざまなものがあります。人には相談しにくくてお困りの方も多いのではないでしょうか。はずかしがらずに相談してください。今回は過活動膀胱についてご紹介します。

 過活動膀胱は「急に我慢できないような尿意が起こる」「トイレが近い」「急にトイレに行きたくなり、がまんができず尿が漏れてしまうことがある」などの症状を示す病気です。最近の調査では、40歳以上の男女の8人に1人が過活動膀胱をもっているともいわれています。

 過活動膀胱では、尿をためる袋である膀胱(ぼうこう)が加齢とともに敏感になります。ちょっと尿がたまっただけで尿意を感じてしまい(頻尿)、強い尿意を感じると膀胱が勝手に縮んで排尿を始めてしまい尿が漏れてしまいます(切迫性尿失禁)。また、夜間に何度もおしっこにおきる(夜間頻尿)ようになります。男性では前立腺肥大症の症状と重なり合っていることもあります。

 診断には問診が重要です。どんな症状で困っているのかを具体的に伝えましょう。また過活動膀胱の症状や程度を調べるための専用の質問票(OABSS)も参考になります。また他の病気が隠れていないか確認するための検査も重要で、尿検査、超音波検査(残尿量の測定)、血液検査、尿流量測定があります。これらは比較的簡単で痛みの少ない検査です。また、排尿した時刻とその量を自宅で24時間にわたり記録してきてもらう排尿日誌をお願いすることもあります。これにより1回のおしっこの量や、夜間にでる尿量の割合を調べたりして治療に役立てます。

 過活動膀胱の治療は、飲み薬による症状緩和(対症療法)が一般的です。現時点では根本的に治す治療法はありません。過活動膀胱は良性の病気です。症状のために日常生活に支障があれば治療を行いますが、生活に支障を感じていない患者さんはむりに治療を受けなくてもいい場合もあります。治療を始める前に医師とよく相談しましょう。

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