脳神経外科

脳卒中について

2020/01/01

脳卒中について

脳卒中とは脳の血管が破けたり、詰まったりする病気です。「卒」には突然という意味があり、「中」にはあたるという意味があります。文字通り脳卒中は突然起こる恐ろしい病気です。

 脳の血管が破ける病気には「脳出血」と「くも膜下出血」があります。脳の血管が詰まる病気には「脳梗塞」があります。脳梗塞には病態により「ラクナ梗塞」「アテローム血栓性脳梗塞」「心原性脳梗塞」の3つがあります。脳卒中の症状には代表的なものがあります。顔の麻痺、片方の手足の麻痺、言葉が上手くしゃべれない、物の見え方がおかしい(二つに見えたり、視野がかけたり、突然一時的に見えなったり)、激しい頭痛などです。最近ではより簡潔に最初の三つの症状、Face(顔のゆがみ)、Arm(腕の麻痺)、Speech(ことばの障害)を取り上げFASTという標語もよく使われています。TはTime(時間)という意味です。特に脳梗塞は時間との闘いでもありますので発症時刻が大切でより早く治療する必要があるからです。脳梗塞に関しては新しい治療方法も開発され劇的によくなる人も増えていますが、早く治療するほどよくなる確率が高くなることがわかっています。脳梗塞の場合、発症から4.5時間以内であればt-PA(組織型プラスミノゲン・アクティベーター)という薬を点滴で投与して血栓を溶かすことができます。また最近ではステント型血栓回収デバイスで血管の中から血栓を回収する方法が開発され治療成績も劇的に向上しています。

 寝たきりになる原因の3割近くが脳卒中と言われています。また高齢者の寝たきりになる原因の第一位です。脳卒中にならないためにも予防が大切です。脳卒中になりやすい病気はいくつかありますが、脳卒中学会も「手始めに高血圧から治療しましょう」と呼びかけています。年齢や病態によっても目標とする血圧は異なりますが、家庭血圧の場合135/85mmHg以上で高血圧と考えられます。日頃の自分の血圧を測ってみて高ければ専門医療機関に相談しましょう。

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