救急科

熱中症は発症予防と早期認知が大事!

2019/06/01

熱中症は発症予防と早期認知が大事!

地球温暖化・異常気象や都市部のヒートアイランド現象等により、熱中症発生傷病数は年々増加傾向です。特に昨年は猛暑の影響で多くの地域で過去最高の傷病者数が記録されています。熱中症の発生患者は例年6月下旬から増えていきます。本稿で熱中症について学び、今年の夏は適切な予防と対応を行いましょう。

 熱中症の定義は、「暑熱環境における身体適応障害によって発生する状態の総称」です。暑熱環境という外的要素が原因なので、予防が最も大切であることをまず認識して下さい。小児や高齢者は症状が乏しいことも少なくないため特に予防が重要です。熱中症は高気温だけでなく、湿度・風速・輻射熱も大事な要素です。それらを複合的に数値化した暑さ指数(WBGT)が熱中症の発生しやすさに最も反映していると言われています。環境省熱中症予防サイトで毎日のWBGTを確認できますので参考にして下さい。WBGTが25℃以上になると熱中症の危険が増しますので、長時間の屋外での活動を控えた方が良いでしょう。また、暑熱環境下で外出、活動をしなければいけない場合は、多量に発汗するため、水分だけでなく塩分も忘れずに摂取することを忘れないで下さい。水分のみの摂取では低ナトリウム血症をより助長して、更に体調が悪化する可能性がありますので注意しましょう。

 予防に次いで早期認知が大事です。熱中症はⅠ度(軽症)、Ⅱ度(中等症)、Ⅲ度(重症)に分類されます。Ⅰ度は意識障害を認めず、失神・大量発汗・こむら返り・筋肉痛等の症状が現れます。Ⅱ度は頭痛、嘔吐、倦怠感、集中力や判断力の低下等の症状が現れます。Ⅲ度は発汗が停止し、中枢神経障害、肝腎障害、血液凝固障害等の臓器不全症状が現れ、集中治療を要します。Ⅱ度、Ⅲ度の分類は検査を要しますので、Ⅱ度以上と疑われた場合は医療機関の受診が必要です。Ⅰ度であったとしても、現場での応急処置に対する反応が乏しい場合は、医療機関の受診を要します。特に意識障害や39℃以上の高体温を伴う場合は、救急車を要請し、直ぐに治療が必要となります。

 医療機関への受診の有無に関わらず、熱中症を疑った場合、現場で応急処置をすることも心掛けましょう。熱中症の主な病態は体温上昇と脱水に伴うものです。涼しい場所への避難、濡れた衣類の脱衣、脇・ふとももの付け根・頭頸部に氷嚢を当てることによる身体の冷却に努めます。経口摂取が可能であれば、市販の経口補水液等を利用して水分+塩分を補給することで脱水の改善を図ります。

 熱中症は予防できる疾病です。正しい知識を持ってますます暑くなる夏を乗り越えましょう。

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