精神科

5月病とは?

2019/05/01

5月病とは?

 皆さんは5月病(ごがつびょう)をご存じでしょうか。
5月病は新人社員や学校の新入生などに見られる、新しい環境に適応できないことに起因する精神的な症状の総称です。今回はこの5月病についてわかりやすく解説したいと思います。

 新入社員や新入生は
4月に期待と不安をにじませながら、新しい環境に入っていきます。最初のうちは新しい環境に馴染もうと精一杯で、気分も高揚しているためあまり症状は目立ちません。しかし、ひと月ふた月と経っていくうちになぜか非常に疲れた感じがする、憂うつ感や不安感が強まる、無気力になるなどの症状が出始め、気づけば職場や学校に足が向かなくなって休んでしまう。そうなって初めて自分が環境に馴染めていない、無理をしていることに気づく、これが5月病なのです。では5月病にならないためにはどうしたらよいのでしょうか。

 一つは無理をしないこと。新しい環境に無理やり自分を合わせようとしすぎるとどうしても心と体に無理がたたります。自分のペースで、できるところから徐々に馴染んでいくのがよいでしょう。もう一つは周囲に気持ちの辛さを吐き出していくこと。辛い気持ちをため込むことで、それが徐々に心と体をむしばんでいきます。新しい環境に入ったばかりなのに辛い気持ちが芽生えるなんておかしくないか、それを周囲へ伝えてよいのだろうかと葛藤はあるかもしれません。ただし、人が新しい環境に馴染むのには大変な苦労を要するもので、それは特殊なことでもましてや恥ずかしいことでもないのです。

 最後に自分が
5月病かなと思ったらどうしたらよいのでしょうか。まずは職場の同僚や上司、学校の友達や先生に相談してみましょう。周囲の理解や協力が得られるだけでも気持ちが軽くなり、心や体の症状が改善することもあります。どうしても症状が改善しない場合には専門家(医師や心理士)へ相談するのがよいでしょう。正しい知識を身に着けて5月病を乗り切り、皆さんで充実した職業生活や学校生活を送っていきましょう。
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