血液内科

血液疾患の治療

2019/03/01

血液疾患の治療

 血液疾患には赤血球の病気(再生不良性貧血や女性に多い鉄欠乏性貧血など)、白血球の病気(白血病、悪性リンパ腫、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫など)、血小板の病気(血小板減少性紫斑病など)などがあります。今回はこれら血液疾患の中で白血病や悪性リンパ腫など造血器腫瘍(血液のがん)における治療の進歩についてお話します。

 がんの治療法は①外科治療(手術)、②化学療法(抗がん剤治療)、③放射線治療が主な治療でしたが、最近は第4のがん治療法として④がん免疫療法が加わってきました。また造血器腫瘍において遺伝子検査の進歩はめざましく、診断や治療には欠かせないものとなっています。例えば慢性骨髄性白血病はBCR-ABLという遺伝子の異常にて発症することが分かっています。以前は数年で致命的になっていましたが、最近はこの遺伝子異常の働きをブロックする分子標的治療薬で9割以上の方が治癒に近い状態になってきています。また、悪性リンパ腫などにおいて腫瘍細胞を特異的に攻撃する抗体治療薬(抗CD20抗体など)、抗体に抗がん剤や放射線同位元素を結合させた選択的かつ効果的にがん細胞をやっつける抗体薬物複合体、本庶先生のノーベル賞受賞で有名になったニボルマブ(オプジーボ)など自己の免疫に作用し、がん細胞を攻撃する力を高める免疫チェックポイント阻害剤、さらに新しい治療として腫瘍に結合する抗体を患者さん自身のリンパ球に組み込んで培養増幅させ、それを戻し腫瘍をやっつけるCAR-T細胞療法など色々ながん免疫療法が実用化され、使用が可能となってきています。
 
 これまで造血器腫瘍の治療は化学療法が中心でしたが、これら新しいお薬、治療法が加わり良い成績が得られるようになってきました。まだ一部の疾患に限られている治療法もありますが、今後さらに進歩し、色々な造血器腫瘍に使われ患者さんにとってより良い結果が得られていくようになると思われます。京都桂病院においてもこれまでの治療(通常の抗がん剤治療や造血幹細胞移植など)に加えて、使用できる新しい治療薬や治療法を積極的に取り入れて治療を行っています。造血器腫瘍が疑われる、また診断された方は血液内科にてご相談下さい。

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