脳神経内科

家庭血圧計を用いて早朝と就寝前に血圧測定を

2018/02/01

家庭血圧計を用いて早朝と就寝前に血圧測定を

寒い日が続きますが、寒さで血圧が上昇することに心配してらっしゃる方も多いと思います。確かに冬は血圧が上昇傾向、夏には下降気味となり季節変動と呼ばれています。また血圧は、朝起床とともに上昇し、夜は就寝とともに下降する日内変動があります。この日内変動がみられない人は、脳心血管事故や認知症を起こしやすいことが知られています。それでは血圧測定はどのように行えばいいのでしょうか?

 まず通常血圧といえば、診察室の血圧を指しています。2年余り前にアメリカで50歳以上の高血圧患者9,361人について、収縮期血圧を140㎜Hg未満の標準的治療をおこなった群と120㎜Hg未満という厳格に降圧した群とに分けて観察した大規模試験の結果が発表されました。高齢者も含めて、120㎜Hg未満の群で心血管事故や死亡が有意に少ないという結果でした。年齢にかかわらず血圧は低い方が良いというメッセージが出されたわけです。

 ところで、将来の脳心血管事故を予測するには診察室の血圧だけでは不十分で、就寝中の夜間血圧が最も強く関連することが明らかとなっています。また、家庭血圧も結構予測能が高いのです。家庭血圧は早朝と就寝前に測定することが推奨され、135/80㎜Hgが基準と考えられています。我々は脳卒中既往の患者さんを5年ぐらい観察しましたが、早朝と就寝前の両方とも135/80㎜Hg以上の人は脳卒中発症や認機能障害の進展が高頻度に起こりました。両方とも135/80㎜Hg以下の人は最も発症が少なく、朝だけ高い人、就寝前だけ高い人はともにその中間でした。

 また、入院患者さんについて、病棟の看護師さんが測られた早朝および就寝前の時間帯の血圧と日内変動測定による夜間血圧を比較しました。早朝・就寝前ともに135/80㎜Hg以上の人は約70%が夜間高血圧(130>㎜Hg)、両方とも135/80㎜Hg以下では夜間高血圧は10%余りでした。早朝血圧が強調され過ぎていますが、就寝前の血圧は早朝血圧に劣らず大切で、130/75㎜Hg以下であれば一安心。早朝と就寝前の両方の血圧測定を行って自分の血圧の全体像を知りましょう。

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