救急科

市立ひらかた病院で救急医療倫理講演

新たな変異株オミクロン。
感染力は凄そうですが、現状重症度がどの程度か
読めていません。
少なくとも今までの変異株よりは
mRNAワクチン2回接種完了者でも
感染してしまう可能性がある、と言われており、
2回目から時間が経過した人の
3回目接種が更なる予防に繋がる、と言われています。
果たしてこれからワクチンを何回打ち続けるのか
複雑な気持ちではありますが、
ワクチンの重症化を防ぐ劇的な効果を
現場で目の当たりにしている人間としては、
重症患者を増やさないためにも、
まずはワクチンを打ち続けていく
姿勢を示していきますTです。


ERは色々なドラマ、トラブル、ストレスが
短時間で起き得る現場です。
医療倫理に関わるようなことも
凝縮されています。
その内容で院内外でお話させて頂く
機会がありますが、
今回は市立ひらかた病院で
お話させて頂きました。

生殖医療や終末医療でニュースとして
ピックアップされる
医療倫理とは複雑であり曖昧であり
時代、国、法と共に変遷するものであり、
そもそも医学・医療の不確実性というものが
根本にあるために、必要な物であり…。

医療倫理を文面で語れば語る程
訳が分からなくなったりします。

そして超高齢化が進む日本において、
更に医療のあり方、考え方が複雑化しています。

救急医療は医療玄関であり、
医療倫理を現場の問題として
体感してもらうには持ってこいです。

ということで症例ベースで
市立ひらかた病院の職員の皆さんに
1時間程度で講演させて頂きました。

1施設のみの研修にも関わらず、
130名程度の方が参加してくれました!
大変感謝感謝です。

多種多様な課題を多種多様な考え方の人達と
どのように医療を提供していくかを
考えるのが医療倫理と考えています。

代表的な考え方としてBeauchampらが提案した
下記の4原則があります。
①自立尊重 respect for autonomy
②無危害 non-maleficence
③善行 beneficence
④正義 justice

救急医療は善行、正義を試される場であります。
その場のしのぎだけでなく、
その人を救うきっかけになる現場とTは考えています。

救急現場に限らず、
多くの医療現場で悩まれているのが
意思疎通ができなくなった
認知症患者、重度介護患者への
医療提供のあり方です。
当然正解は一つではありませんが、
無下に扱うのは不正解です。

Jonsenらはどのように分析するかに
ついて下記の4つの観点を挙げています。
①医学的適応 (恩恵無害)
②患者の選考(自律性)
③QOL(人生の充実度)
④周囲の状況(誠実と公正)

……
やはり語れば語る程
どうしても表面的になっていく感じがします。
ということで、
色々な症例を挙げながら、
医療の選択肢を提案しつつ、
意思疎通が可能だった時の
患者自身の考え方を最優先にしつつ、
関わる人たちの総合的観点で、
下記の言葉を頭の中に
思い浮かべてもらうようにしています。


正解は一つじゃないし、
正義も人によって様々。
ただ、救急医療という
医療従事者側の価値観を押し付けがちな
現場で少しでも関わる人たちが
幸せになるように
多少は今回の内容が参考になれば嬉しいです。

皆さんに真剣に話を聞いていただき、
こちらも熱が入りました。
今回はどうも有難うございました!


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