外傷初期診療強化期間
先日は大阪市立大学医学部でのJATECコースに
参加しましたが、桂ERでも
今月から外傷初期診療学習強化月間です。
毎月1回の多職種向け学習会で
JATECに則った
外傷初期診療総論について講義しました。
生理学的徴候を評価し、緊急度を判断して
必要であれば蘇生処置を行いながら診療する
Primary Survey(PS)。
解剖学的徴候を評価し、重症度を判断するための
Secondary Survey(SS)は、
一通り診察、検査を終えて治療の優先順位を決定します。
PSで覚えるべき病態として、
TAFな3X、MAP、切迫するD。
致死的胸部外傷のTAFな3X。
T:cardiac Tamponade 心タンポナーデ
A:Airway obstruction 気道閉塞
F:Flail chest フレイルチェスト
X:tension pneumothoraX 緊張性気胸
X:open pneumothoraX 開放性気胸
X:massive hemothoraX 大量血胸
ショックの認知のためのSHOCK&FIX-C。

3大内出血部位のMAP。
M: Massive hemothorax 大量血胸
A: Abdominal hemorrhage 腹腔内出血
P: Pelvic fracture 骨盤骨折(後腹膜出血)
重症頭部外傷の鑑別のための切迫するDの確認。
GCS8点以下、経過中にGCS2点以上低下、
脳ヘルニア徴候(瞳孔不同、片麻痺、Cushing現象)
その他諸々の概要を講義し、
緊張性気胸、腹腔内出血、安定型骨盤骨折の
デモンストレーションを最後にTが行いました。

次いで毎月1回金曜日夕方にTが担当している
研修医勉強会でも外傷初期診療をテーマにして
ネックカラーの装脱着、
背部観察のためのログロール、フラットリフト、
PSシミュレーションをやってもらいました。
背部観察は実際に人の重みを感じてもらう為に
研修医同士でやってもらいました。
フラットリフトは結構大変なのを
体感してもらえましたね(笑)

救急車搬送件数が激増している今年ですが、
その分外傷患者もどんどん増えています。
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