救急科

病棟痙攣シミュレーション

ERでは驚くほどCOVID19を疑う患者が
いなくなりました。
昨年はビックリするくらいにインフルエンザ患者は
皆無のレベルでいませんでしたが、
今年はどうなるのでしょうか。
一昨年までは大量の患者が押し寄せるので、
自然軽快する対象のインフル患者は
流行期の場合、検査は省略し診察で診断する、
という対応をしてきましたが、
コロナ禍になってから検査をしない、
という選択肢が無くなってしまいました。
診療アセスメントの考え方を
大幅に変える程のパンデミック。
心筋梗塞、脳梗塞のような血管系疾患、
偶発性低体温、高齢者の転倒、
通常の細菌性肺炎。
冬にメチャクチャ増えます。
そこにCOVID19、インフルが
どの程度重なるか。
救急受け入れ困難事例が
今冬はひどくならないことを願っています…。

さて、研修医、ER、多職種と色々な場面で
Tはシミュレーショントレーニングを
繰り返しています。

当院救急科のテーマでもあります、
〇全員医療 〇多数精鋭
を実践するための一環です。


今回は救急科病棟看護師対象に
「全身性痙攣を来した患者の初期対応」
をシミュレーションしました。



夜勤担当看護師が、
自分が担当していない患者の
「ヴーーーーッ!」と
大声を出しているのを聞いて、
訪室したら全身性間代性痙攣を起こして
さぁ大変!
というところからシミュレーション開始。


全身がガタガタ震えまくって、
発汗しまくって、眼球上転、泡拭きまくり。
メチャクチャ焦ります。
Tが人形の身体を間代性痙攣風に
揺らしまくります。


夜の病棟はERやICUと異なり、
直ぐに医師が来られないことがあります。
いかに看護師がアセスメントと応急対応ができるか、
が急変時にかなり重要になります。

今回のシミュレーションのポイントは、

・けいれん発作の詳細を覚えておき、看護記録に残す。
 強直性?間代性?強直間代性?どれくらいの時間?

・ナースコールを鳴らし、応援要請・除細動器・救急カートを持ってくる。

・モニターを装着する。

・けいれんが持続していたらひとまず酸素投与5~10L行う。

・情報収集し、症候性てんかんの可能性を疑う。

・入院してからけいれん発作を起こしたことがないか確認する。

・血液検査を採取し、静脈血液ガスと迅速血糖測定で、
 電解質異常、血糖異常などを鑑別しておく。
・医師にコールし、明らかに強直間代性けいれんであって、
 全くけいれん発作が治まらないことを伝える。
・抗痙攣薬(ジアゼパム)静注の指示、ダブルチェックによる誤認防止。
・投与時の呼吸抑制の可能性からバッグバルブマスク補助換気の準備
・痙攣が治まった際の、再発予防の薬の指示の提案。
・頭部CT・MRI撮影する可能性を踏まえたモニター、点滴の整理。



などなど。
医師が病棟の現場にいなくても、
看護師のアセスメント次第で、
医師の指示をしっかりもらいながら、
かなり攻めの初期対応が出来ます。


頭の中で全身性痙攣の時の初期対応が
分かっていても、いざ身体を動かそうと思っても、
メチャクチャ焦って、思考停止してしまうこともしばしば。
シミュレーショントレーニングで
弱点・課題の抽出をして、
実際に遭遇した時にも冷静に対応出来るように
頑張りましょう!




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