救急科

ERでの酸素療法・NPPV

秋分の日も過ぎ、空を見上げるとすっかり秋空です。
この時期にしか食べられない
「生」落花生、丹波栗、黒枝豆、柿が
洛西、亀岡の産直店や農家の家の前で売られ始め、
日々のテンションを上げてくれます。

毎月一回の研修医向けの金曜夕方学習会。
今回はERにおける酸素療法について
実習を中心に学んでもらいました。

まずはⅠ型呼吸不全とⅡ型呼吸不全での
酸素投与の違いについて。
Ⅰ型呼吸不全は換気に大きな問題が無く、
肺実質~肺血管の間の酸素交換能の問題。
経鼻カニューレ→簡易酸素マスク→リザーバーマスクと
酸素投与方法を変えていきます。

2型呼吸不全は換気に問題があり、
酸素だけでなく二酸化炭素の換気がうまくいかない。
純酸素を投与すると、
肺胞に高濃度の酸素が貯留して、
身体は換気することを更に怠り、
CO2ナルコーシスに至る可能性が高まります。
そのため、当院ERでは
経鼻カニューレ3L以上になる場合は、
ベンチュリ―マスクに切り替え、
それでもダメならNPPV(非侵襲的陽圧換気)を行います。

まずはベンチュリ―マスクの
適応と使用方法についてレクチャー。
研修医も使い方を復習。
2年目研修医から1年目に使い方を伝えてもらいます。

ややぎこちない指導(笑)
でもちゃんとうまく教えてくれました。


次いで、NPPVについて。
大前提として、従命可能であり、
嘔吐を来す可能性が低い状態であること。
Ⅰ型呼吸不全でリザーバーマスク高流量酸素投与でも
起坐呼吸、呼吸困難が改善しない場合、
Ⅱ型呼吸不全でベンチュリ―マスクで
酸素化が保てなかったり、二酸化炭素の貯留が多くなったりする場合、
適応となります。
常に経口気管挿管とどちらの方が
患者さんにとって有効かは意識しておく必要があります。

多くの講義では適応や
人工呼吸器の設定について教えてくれますが、
ER現場ではそれに加えて、
いかに酸素投与中断時間を最小限にするかも重要です。
酸素マスクを外して、
NPPV用のマスクを装着するのに
もたついていたら、余計に呼吸状態が悪化します。

しっかりと人工呼吸器の設定を行って、
ベルト装着などもしっかり行って、
直ぐにNPPVのマスクをはめられるようになって、
ようやくベンチュリ―マスクやリザーバーマスクから
サッと交換できます。

NPPV開始の際のマスク装着のコツを覚えたら、
換気条件の初期設定と、
血液ガスフォロー後の条件調整について、
トラブルシューティングについて、
も学んでもらいました。



実際に練習しないとイメージが付きませんので、
今回の実習でNPPV適応の患者さんが来ても、
自信を持って開始できるようになったと思います♪




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