救急科

気道確保困難シミュレーション

【投稿日】2020年11月27日(金)

最近朝晩めっきり寒くなってきましたね。
インフルエンザはまだ感染者を確認出来ていませんが、
これから更に寒くなってきたところで、
インフルエンザとCOVID-19のER診療をどうすべきか模索中です。
共通することは、
・発症早期は検査をしたところで偽陰性なるので、
発症早期に検査を迫られても困る。
・若年で基礎疾患が無い患者は、勝手に治る。
・勝手に治る群は他の人に感染させない努力の方が大事。

インフルエンザは、
・咽頭後壁にリンパ濾胞が認められるとインフルエンザっぽい。
・治療薬が複数種類ある。
・重症化高リスク患者はインフルエンザ様症状があれば、
検査の結果がどうであろうと、他疾患の可能性が高くなければ
積極的に抗インフルエンザ薬を投与する。

COVID-19は、
・確立された治療薬が無い。
・指定感染症である。
・無症状の人も感染していることがある。

ここら辺を総合して考慮せねばなりません。
毎年困るのが陰性証明書です。
検査結果が陰性であることは、インフルやCOVID-19感染をしていない、
と証明するものではありません。
証明書を免罪符に症状があるのに社会に戻るのは危険です。
COVID-19診療で難しいのは、軽症の場合特有の症状が無いことです。
今までの臨床診断を重要視する概念をひっくり返され、
本格的なCOVID-19流行の冬をどう乗り越えるか…
Gotoがうやむやですが、皆様も不要な3密の外出は控えて下さい。
特に換気の悪い空間は空気がよどんで空気中にウイルスが蔓延し、
容易に空気感染します。

さて、医学生さんへのアピール。
Tは頻繁に研修医向けの学習会を行っています(笑)
毎週水曜日早朝の救急症例学習会、
毎月第2週木曜日夕方の多職種向けの重症病態学習会、
毎月第3週(時々2週目だったり4週目だったり)金曜日夕方の研修医学習会、
その他不定期のシミュレーションや災害関係の学習会…
研修医と最も関わる指導医と自負しております。

11月度の金曜日の夕方研修医学習会では
気道確保困難のシミュレーションを行いました。
既に通常の気管挿管は皆人形では
容易に出来るようになっているので、
今回は挿管困難症例の気管挿管と
輪状甲状靭帯穿刺をやってもらいました。

以前は輪状甲状靭帯切開もやってもらったりしましたが、
実際救急外科や頸部を扱う外科で無ければ、
実際の現場では輪状甲状靭帯切開をする勇気は
どんなに緊急でも出ません。
今まで何度もその現場で、何度Tが切開することになったか…

ということでしっかり輪状甲状靭帯穿刺の手技を
身に付けてもらって時間稼ぎしてもらうことに
重きを置くことにしました。

マックグラスビデオ喉頭鏡を用いて、
挿管チューブのスタイレットをホッケー型に曲げて、
喉頭展開が難しい人にも何とか挿管!

輪状甲状靭帯穿刺も何回もやってもらいました。

いざ、という時に身に付けておくべき手技を
Tが手厚くシミュレーション指導します。

研修先を悩んでいる医学生の皆さん、
当院のホームページ、そしてこのブログを見たなら、
是非研修先として候補に考えておいて下さいね♪

 

 

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