救急科

ER(仮)移転

【投稿日】2020年11月20日(金)

コロナの第3波が来ていますが、オンラインやハイブリッド開催を含めて
国内外の学会が開催されるシーズンであります。
米国の国際的学会は学会で発表されるタイミングで
有名雑誌に色々と関連の論文がアップされたりします。
最近で言えば循環器関連がいっぱい発表されています。
その中でTが気になったものの一つで、
ELISABETH trialがあります。
JAMAで75歳以上の急性心不全に対して、
ERにおいてチェックリストを用いてバンドル治療を行うことで
通常ケアと比較したRCTで
死亡率や30日退院率に有意差は無かったと報告されました。
副次的な転帰は有効な印象がある点もそれなりにありそうではありますが、
もう少し転帰が良好であって欲しかったな、と思いつつ、
高齢者の治療ってやっぱりなかなか有意な結果を出しづらいんだろうな、
とも思ったりします。
ただ、迅速性を要する救急疾患は
チェックリスト、バンドル治療という概念は
診療のばらつきを減らすのにやっぱり必要だと思いました。
そして今まで以上に高齢者救急に関わるネタが、
一流雑誌にアップされると期待しています。

さて、10月下旬に桂病院のERがE棟に(仮)移転しました。

Tが2015年に着任して、
まずは日勤と時間外に分かれていた救急部門を半年で一元化し、
それから早5年。

2022年秋に完成予定の救急を中心とした新病棟を建設するために、
ERの入っていたF病棟が壊されることになりました。

もうこの南口玄関から入ることは出来ません。
少し寂しい気持ちになりますね。

仮移転したERは若干狭くなりましたが、
機能はほぼ維持しています。

COVID-19疑似症対応のための感染対策部屋も
近くにつくってもらいました。

ただ、今までのERがあった病棟が使用できなくなったことで、
横長な桂病院の動線は更に悪くなっちゃいました。

Tは前勤務地では外傷診療ばっかりやっていたのですが、
現在の京都市西部、乙訓、南丹・中丹は
重症外傷診療を出来る病院がありません。
重症外傷診療を含めてあらゆる重症集中治療に耐え得る
立派なER、ICU/HCUを含めた
素晴らしい新病棟が2年後に完成予定です。

皆様、動線が悪いのは2年の我慢です。
そう自分にも言い聞かせています(笑)

ハードも大事ですが、
人材、医療機器、システム等のソフトも
その時に向けて準備していくことも大事です。

無いところに新しいものを作るのは大変です。
基礎の土台作り、文化の構築。
2年後に向かって現場以外の対応が益々忙しくなっていきますが、
どんどんワクワクしてきています。

ここまでたどり着くのは長かったですが、
仮移転したことで、やっと本格的に
攻めの前傾姿勢に転じることが出来てきています。

皆様桂病院の救急をこれからも宜しくお願いします!

 

2022年度新病棟完成に向けて来年度救急科スタッフ大募集中!

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