救急科

PICC特定行為研修とレディネス

【投稿日】2021年6月12日(土)

尾身先生のこの状況でパラオリの開催は普通無い、
という発言をされたことに対して、
田村厚労相が自主的研究の発表という
既読スルー的な発言をされたことに
あまりに呆気に取られています。
言葉が過ぎる、という政府関係者は
いるようですが、それでは何のための
分科会なのでしょうか。
自分たちの都合のよい意見だけを集める方が
ガバナンスが聞いていないのに、
残念な言動が多すぎます。
SARSと果敢に闘った尾身先生に対して
大分乱暴な態度ですね。
パラオリは日本が感染制御できているかだけではなく、
国際的に制御できているか、の観点も必要で、
インドは何とかピークアウトしてきていると言えど、
絶対数は依然かなり多く、
南米はまだピークアウトしていません。
パラオリって平和の祭典じゃなかったですかね?
少なくともこの1年間、そのように感じる言動を
政府、JOC、IOCは一つも示してくれていない気もします。
そして、WHOもTOKYO2020に対して言及していません。
Lancet誌でもそのことについて懸念を示しています。

We need a global conversation on the 2020 Olympic Games

少なくとも今年は
パラオリにかける準備資金を、
ワクチン接種の普及速度を上げるために、
医療機関のCOVID19対策をアップするために、
疲弊した企業の補助事業対策に、
当てた方がいいのでは、とTは感じていますが
少数派でもない意見だと思います。
そう思わなくていいような
国民が納得するパラオリを開催するための
科学的根拠を政府こそ
自主的研究では無いものを示して欲しいですね。
これ以上「安全安心」という言葉を
根拠の無いまま使用し続けず、
空虚な言葉にしないで欲しいと願うばかりです。

桂病院でも看護師特定行為研修を今年度より始めておりますが、
Tが以前よりお手伝いさせて頂いている、
Tにとっての看護師特定行為研修の原点の
和歌山医大にPICC実習の講義を
しに行きました。

大分オンライン講義へのシフトが進み、
和歌山医大の講義でも大分オンラインに内容がシフトしています。

ただ、PICCの実技は、
痒い所の指導や疑問は実際の現場で無いと
なかなか伝わりづらいものがまだまだあります。
ということでしっかり感染対策をしながら
最低限の現場実習の講師として、
大学で参加させてもらいました。

看護師さんは、エコーを自分たちで
触れることがこの研修までほぼ無い人の方が多いため、
エコーに慣れるのにやや戸惑います。
ちょっとしたコツやTがやっているのを見てもらいながら、
修得していってもらいます。

そして手技を修得してもらうだけでなく、
研修修了した後にどのようにその行為を
生かしていけるか、ということも
実習をしながら考えてもらうようにしています。

数年特定行為研修に関わっていて、
特にPICCを看護師に挿入してもらう、
という行為のハードルは想像以上に高いです。
医師、看護師、患者の理解を得て初めて出来る
環境が整うからです。

研修修了をしたら直ぐに現場で
出来るようになると思わない方がいいのです。
看護師が臨床現場に戻り、
なかなか理解されない現場の壁に当たり、
苦慮することが少なくありません。

まだ時代として理解され切っていないだけに
医師に依頼されてPICCをただ挿入するだけの
単なるPICC屋さんに留まると、
PICC屋さんさえ維持できなくなる可能性があります。

そこら辺のことを話すと、
実習生の皆様は恐縮してしまうのですが、
自分の中で信念を持ってやらないと
研修を終えた後にジレンマに陥ります。

最初からグイグイ行き過ぎると、
引かれてしまうのが日本人の文化。
各施設の文化を理解しつつ、
うまく組織を動かせる駆け引きも
継続性を意識すると大事になります。
いわゆるレディネス(事前準備)の
重要性を意識することも
研修の際には学ぶべき内容になります。
送り込む経営者・管理者側の講習も
1セットで必要なのではないか、
と回を重ねる度に感じている次第です。

働き方革命が医療業界でも叫ばれている中、
看護師特定行為研修は、
しばらくホットな研修になりそうです。
Tも今まで培った経験を生かして、
どんどん関わっていき、
医療現場の質の向上を意識しながら、
現場負担の軽減に寄与したいと思います!

 

 

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