救急科

重症早期経腸栄養

【投稿日】2020年12月30日(水)

さて、今年ラスト2。
12月は院内多職種向けに重症病態学習会で栄養をテーマに、
そして重症病態における早期経腸栄養Webセミナーで
ディスカッサントで参加しました。
WebセミナーにER面談室を間借りして参加。
切ない…。
とにかく栄養学習月間でした。

Tは重症病態の栄養療法が
外傷外科と並んで、
研修医時代から長く飽きずに
ひたすら学び続けている大好きな領域です。
ですので、多少は他の人と
積極的に楽しくディスカッションできます。

重症病態では最早
Nutrition Support栄養サポートではなく、
Medical Nutrition Therapy医学的栄養療法である、
というスタンスで世界中に認識されています。
そして重症病態における、
早期経腸栄養は、死亡率や合併症の軽減に寄与している、
と言われています。
ただ、日本は全世界、アジアの中でも、
早期経腸栄養開始率、開始時期で
遅れを取っています。

そのこともあって、令和2年度は
厚労省も特定集中治療管理をしている患者に
早期経腸栄養加算を設けました。
政治的に働いた学会の要人達に感謝です。
良くも悪くも加算が関わると、
皆認識が変わります(笑)

重症病態の栄養ガイドラインは、
本邦、欧米から色々と出ていますが、
最新のものとして、
2019年のESPEN欧州代謝栄養学会から
出ているガイドラインと、
集中治療領域で早期経腸栄養に関して
詳細に記載されているのは
2017年に欧州集中治療医学会から
出ているガイドラインがあります。
満を持して欧州が出したガイドラインなので、
重症の栄養療法に関わる人は必見です。

早期経腸栄養は大事なことですが、
やる時は必ずやっちゃいけない患者、
注意しながらやらなきゃいけない患者も
覚えておく必要があります。
ざっくり言うと、
イレウス等の腸を使っちゃいけない患者や、
急激に栄養を入れた反動で病状が悪化する
Refeeding syndromeを来すリスクのある患者。

上記のガイドラインはそこら辺のことも
網羅されています。
Refeeding Syndormeに関しては、
手前味噌ですが、JSPENに
Tが概要を投稿していますので、
興味ある人は見て下さい(笑)

ドタバタ明日今年ラスト投稿!

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