救急科

人工呼吸器トラブルシューティング DOPE

【投稿日】2020年12月27日(日)

少し前になりますが、M-1盛り上がりましたね。
昨年は息ができない程の大爆笑で、
それ程ではなかったにしても、
笑うと気持ちは明るくなります。
鬼滅の刃も日本での映画興行収入歴代1位を塗り替え、
やはり今の暗い雰囲気・話題ばかり続く中、
エンターテインメントの必要性、素晴らしさを感じました。
漫才とは何ぞや?
と今回はM-1後も議論が白熱していますが、
それだけ注目度が高い番組である証拠です。
私見としては、
真ん中にマイクスタンドがあって、
小道具を使いすぎなければ、
漫才で良いと思っていますし、
時代とニーズに合わせて変化するものと思っています。
Tにとっての救急医療も同様で、
明確に線引きする領域ではなく、
時代と地域のニーズに合わせて、
柔軟に形を変える、あるいは変えられる領域と思って、
飽きることなく、やり甲斐を持って、
続けられる分野とポジティブに考えてやっています。
救急医療は形に拘らなければ、
絶対に無くならない領域だと思います。
逆に変に重症しか診ない、とか、この領域は診ない、
というのを頑なに時代の変遷に合わせずに、
主張していると破綻してしまいますので、
前進する救急医療をこれからも提供していく所存です。

そろそろ2020年も終わりに近づいています。
今年のネタは今年中に片付けてしまいましょう。

ひたすら学習会をしまくっているTですが、
病棟看護向けのシミュレーション学習会を
今月も行い、テーマは
「人工呼吸器装着患者の急変」としました。

 

突然人工呼吸器装着患者の換気量が低下したら、
どういうことを考え、どういう対応をするか、
ということを身体を動かして、学んでもらいました。
夜間の看護師が数人しかいない、
医師が遠いところから駆け付ける設定でしたので、
医師が来るまでの間、
電話で応対しつつ、自分たちである程度、
動いて判断しないといけない、
というシチュエーションです。

覚えるべきは「DOPE」です。

D:Displacement (チューブ)位置異常
O:Obstruction (チューブ等の気道)閉塞
P:Pneumothorax (緊張性)気胸
E:Equipment failure 装置の異常

これらを疑って、アセスメントし、対応します。

・原疾患が増悪していないか?⇒ショックが増悪、気管支喘息発作の増悪等
・人工呼吸器を外してジャクソンリースかBVMで用手的に換気する
・DOPEの確認
・胸部レントゲン、血液ガスの再検
・気管支鏡、把持鉗子の準備
・気胸を疑う場合、早急に16~20Frの胸腔ドレーンを準備(第5肋間、腋窩中線から挿入)
・機器のトラブルが原因と考えられる場合は、代替機器に変更する

こんなことを意識してやってもらいました。
事前座学をやりましたが、
それでも焦ります(笑)

急変時は医師の指示は必要ですが、
指示待ちしているだけでは、
大変なことになるかもしれません。

医師の指示がうまく出るように、
看護師のコミュニケーションやアセスメント能力も
本当に重要になります。

実際にシミュレーションに類似した
状況が夜間に発生し、
うまく対応して事なきを得た事例が
最近ありました!

 

やはり日頃からの訓練は大事!
と直ぐに実感できましたね。

来年も皆でレベルアップしていきましょう♪

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