救急科

救急現場で「人」をみる at 畷生会脳神経外科病院

【投稿日】2020年12月7日(月)

経済で死ぬか医療で死ぬか。
両極端の天秤にかけられながら、
今年の冬は色んな事に振り回されそうです。
冬は自然淘汰の季節です。
COVID-19だけではなく、
脳卒中、心筋梗塞、肺炎等の他の感染症が
どんどん増えていきます。
ニュースでいつもCOVID-19感染者の
重症の収容率がアップされています。
京都も含めて都市部ではだんだんと逼迫して来ています。
受け入れ病床の枠を増やす要請もあっていますが、
是非その周辺のところまで皆さんに考えて欲しいのです。
COVID-19の受け入れ病床を確保するということは、
他の疾病の対応をするための病床を犠牲にしていること。
医療従事者、特に看護師さん達は、
通常の対応よりも遥かに看護必要度が上がるため、
COVID-19に看護師を回す分、他の診療に当てられないこと。
ただでさえ、例年から冬の病床数の確保は
どこの地域・病院でも問題になっていましたが、
今年はかなり大変です。
是非発熱患者さんは安直に救急車を呼ばないで下さい。
呼ぶ前にかかりつけに電話、あるいはコロナ相談センターに
連絡してから対応を判断して下さい。
電話対応も大変かもしれません。
ただ、どこの病院の救急外来も発熱患者の感染対策を
しっかりする必要があり、連続で発熱患者の対応を
多数受け入れられる病院は殆どありませんので、
事前に相談の無いまま救急要請すると、
今まで以上に超たらい回しに合う可能性が高くなります。
病院側も(少なくともTは)診たくないわけではなく、
他患者との感染対策も考慮して色々と判断する必要がありますので、
発熱や重症患者が重なっている中で、事前予告の無い救急車を受け入れる
スペースが確保できないことがあります。
大変とは思いますが、特に発熱を来している患者さんは、
救急車を呼ぶ前の行動を是非大事にして下さい。

 

さて、冬の季節はいつも前置きが長くなってしまいますが、
先日畷生会脳神経外科病院にお招きいただき、
救急現場で「人」をみる、というテーマで講演をさせてもらいました。

お昼過ぎの時間でしたが、非常に多くの職員の方に参加してもらいました。

皆しっかりマスクをして、ちゃんと席の間隔を空けて
感染対策を意識して頂きながらの講演となりました。

・若い人はそんなにコンビニ扱いでER受診しない。
・患者や家族の背景を意識した解釈モデルに耳を傾けること。
・高齢者は多様多病、社会背景を含めた個人差が大きい。
・疾病を見るだけでなく、その人の人生にとっての最良の選択は何か。
・超高齢者医療は攻める治療だけでなく、何かを守るための医療も考える。

救急患者は、僕らからみて軽症であったとしても、
何か困っているから患者は受診するはずです。
無下に対応せず、一旦患者の訴えを受け入れて飲み込む、
姿勢を持つことで、皆ハッピーになる可能性があります。

そのためには心の余裕を持つことも大事です。
アンガーマネジメントや組織論、人生哲学みたいなものも、
忙しい救急外来では必要だと感じています。

普段あまり意識しない観点から、
倫理的な内容も交えながらお話させて頂きました。

幸い好評だったようで安心しました♪

黒岩名誉院長、出雲副院長、
今回お招きいただき有難うございました!

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