栄養部門

成人の日ですね

本日1月10日は成人の日ですね。新成人の皆さま、おめでとうございます!
新型コロナウイルスの影響により、成人式や同窓会が開催できなかったという方もおられると思います。早くこの時代が明けて、みんなで楽しく集まれる日が来てほしいものです。。。


さて、成人してからの大人の楽しみと言えば、お酒をイメージされる方も多いのではないでしょうか?🍻


健康日本21(厚生労働省)では「節度ある適度な飲酒量」は純アルコール約20g/日程度であることが示されています。



さらに、

➀女性は男性よりも少ない量が適量である
②少量の飲酒で顔面紅潮を来す等アルコール代謝能力が低い者では通常の代謝能を有する人よりも少ない量が適量である
③65歳以上の高齢者においては、より少量の飲酒が適当である
④アルコール依存者においては適切な支援のもとに完全断酒が必要である
⑤飲酒習慣のない人に対してこの量の飲酒を推奨するものではない

と記載されており、自分の体質や習慣を理解しておくことも大切です。



「お酒は少し嗜む程度なら、むしろ健康に良いんじゃないの?」と思った方もおられるかもしれません。(学生時代の私です)

確かに、虚血性心疾患・脳梗塞等一部の疾患リスクと飲酒量はJカーブの関係があることが知られています。しかしこれは人種や年齢的な制限つきの話で、高血圧や脳出血、脂質異常症など他の疾患では疾患リスクと飲酒量が正比例するものも多く存在します。
また健康問題以外にも暴力や虐待・事故等の深刻な社会問題に繋がる危険性もあることから、上記のJカーブに基づいて容易に飲酒が勧められるわけではありません。

ちなみに、日本人の食事摂取基準(2020年版)ではアルコールの摂取指標は設定されていません。アルコールは必須の栄養素ではないため、アルコールの過剰摂取による健康障害への注意喚起を行うに留める、となっています。

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疾患別ガイドラインでは、

高血圧治療ガイドライン2019
エタノールで男性20-30ml/日以下、女性はその約半分の10-20ml/日以下に制限することが勧められる。

糖尿病診療ガイドライン2019
アルコール摂取量の上限として25g/日を目安として、個々の飲酒習慣によって差別化を図る。

エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018
CKD患者における適度な飲酒量についてのエビデンスは十分でない。わが国では節度ある適度な飲酒量として1日20g程度が提案されているが、CKD患者に関しては動脈硬化などを合併している頻度が高く、推奨量以下のアルコール摂取においても脳血管障害の発症が増加する可能性がある。

という具合で、いずれにせよ過剰摂取は勧められません。
医療機関に通院中の方は医師の個別指示に従うようにしてくださいね。


とにかく、お酒は楽しくほどほどに!しておきましょう。


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おまけ:
コロナ以前の広島出張でのワンシーンです。(広島カープ応援カクテルというものでした)
ヘルメットマヨネーズがとてもかわいかったです。
個人的には、たまの息抜きは心の栄養になると、、、そう思う今日この頃です。

管理栄養士KM


出典:厚生労働省 健康日本21第一次・第二次
   日本人の食事摂取基準2020年版
   高血圧治療ガイドライン2019
   糖尿病診療ガイドライン2019
   エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018
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