栄養部門

第6回京都腎臓・高血圧談話会学術講演会

1120日に開催された、第6回京都腎臓・高血圧談話会学術講演会に参加致しました。

談話会では腎臓病に関する様々なトピックについて、講演・ディスカッションが行われました。今回はその一部をご紹介します。

🌟long term eGFR prot

普段栄養指導でeGFRの悪化を診る場合は、月単位で観察しがちです。しかし月単位で観察しているだけでは徐々に腎機能が低下していることに気付かない場合があり、気付いた時には透析導入間近ということも多いです。
そんな時に有効なのがlong term eGFR protです。これは年単位でeGFRをプロットする手法です。この経過を観察する事で、eGFRの緩徐な低下を発見する事が出来ます。導入している病院はまだ少ないですが、栄養指導において広い視野で検査値の推移をみる事の重要性を強く感じました。

 

🌟困った腎障害の対応事例をみんなで解決しよう!

架空の症例をドラマ形式で観察し、その対応法について多職種の先生の間でディスカッションが行われました。

栄養士として特に印象的だったのは、患者さんの食事内容を知りたい時に紙の食事記録をお渡ししがちですが、スマートフォンを使いこなしている患者さんにおいては、写真を撮って頂く方が負担が少ない可能性があるということでした。他にも外来栄養指導にすぐ活かすことが出来るテクニックがいくつも見られ、非常に参考になりました。

 

🌟CKDシール

CKDの診断に該当する患者さんに、「CKDシール」をお薬手帳の表紙に貼って頂く取り組みが紹介されました。これを貼る事で、薬の処方時に腎機能に応じた容量の調整の必要性に気付く事が出来たり、適切でない処方を避け、急性腎障害を防ぐことが出来たりします。まだまだ普及中ですが、医者や薬剤師だけでなく、栄養士なども含めた多職種間で処方について気にかけ、腎機能の悪化を予防しやすくなる良い取組みと感じました。

更に今回、学術講演会の前の14:40から1時間「腎臓病療養指導士の顔合わせ会」が初めて開催されました。コロナ禍のためオンラインでしたが、最初に会長の神田千秋先生がご挨拶され、続いて京都大学腎臓内科学教授の柳田素子先生、談話会事務局の八田告先生からお言葉がありました。
その後、司会を当院の川手栄養科長と薬剤師の松下さんが務められ、普段離れて活躍されている腎臓病療養指導士の皆様が活発に意見を交換されていました。
そして、この「京都腎臓病療養指導士会」に求める事として、さらなるスキルアップのための勉強会や症例検討会の開催、療養指導士の資格を取得した同職種&多職種間での横のつながりを生かした情報や疑問&質問が気軽にできる場づくりをSNSを活用して実現していこう!といったものが挙げられました。
まだまだ1年目で勉強中の身には、全体を通して大きなステップアップの機会になったのと同時に、他の病院の先生方の生の意見を聞く事が出来た、非常に貴重な時間でした❕興味を持たれた方は、是非次回の京都腎臓・高血圧談話会学術講演会に参加してみてくださいね😀


管理栄養士 T
一覧ページへ戻る