がんゲノム医療とは

がんゲノム医療とは、主にがんの組織を用いて、多数の遺伝子を同時に調べ、遺伝子変異※1を明らかにすることにより、一人一人の体質や病状に合わせて治療を行う医療です。

※1遺伝子変異:細胞の中の遺伝子がなんらかの原因で後天的に変化することや、生まれもった遺伝子の違い

 

がん遺伝子パネル検査は、合う薬があるかどうかを調べる検査です。「がん遺伝子パネル検査」の結果、遺伝子変異が見つかり、その遺伝子変異に対して効果が期待できる薬がある場合には、臨床試験などを含めてその薬の使用を検討します。

 

一方、がん遺伝子パネル検査を受けても必ず治療法が見つかるわけではありません。がんの種類にもよりますが、治療選択に役立つ可能性がある遺伝子変異は、約半数の患者さんで見つかります。ただし、遺伝子変異があっても、使用できる薬がない場合もあり、がん遺伝子パネル検査を受けて、自分に合う薬の使用(臨床試験を含む)に結びつく人は全体10%程度といわれています。また、約3%の方に、遺伝性腫瘍を疑う結果が見つかることがあります。


参考資料:「がん遺伝子パネル検査」を検討する方にご理解いただきたいこと 作成:国立がん研究センター ゲノム情報管理センター等

対象となる患者さん

l  保険診療

標準治療終了後(もしくは見込み)の固形がん、または原発不明がんと診断されている方

 

l  自費診療

ステージ3,4の固形がんと診断されている方

当院で行なっているがん遺伝子パネル検査

l  保険診療

  • ・FoundationOne®︎ CDx(腫瘍組織)
  • ・FoundationOne®︎ liquid(末梢血)
  • ・OncoGuide™ NCCオンコパネルシステム(腫瘍組織と末梢血)
  • ・Guardant360(末梢血)

検査にかかる費用は下記の「受診方法・料金」を参照ください。

 

l  自費診療

  • ・Guardant360(末梢血) 検査料金:47万6千円(税込)

受診方法・料金

l  当院に通院中の患者さん

 ①主治医にお申し出ください。腫瘍内科の外来予約をします。

 

l  当院以外に通院中の患者さん

医療機関を通じてお申し込みいただきます。

 ①(医療機関さま)当院の地域医療福祉室へ「事前受付用紙・診療情報提供書」をFAXしてください。

地域医療福祉室のご案内はこちら

 ②(医療機関さま)診療情報提供書の原本と病理検体(ブロック、HE染色標本)、画像CD-Rをお送りください。
 ③当院より、受診予約日のご案内の連絡をします。
 ④(医療機関さま)患者さんに受診票をお渡しください。

 ⑤(患者さん)受診票、保険証を持ち、指定の日時に当院へお越しください。

  1. 1.検査説明および検査申し込み

腫瘍内科外来にて、がん遺伝子パネル検査についてのご説明をし同意を得られたあと、検査提出の手続きを行います。検査を行うには、事前に紹介元病院より提供された病理検体が検査に出せるかどうか当院の病理部門で確認が必要な場合があります。また、採血が必要な場合もあります。
結果説明日の予約は改めて当院より連絡します。

料金:保険診療の初診料、検査料、など(3割負担で15万弱)

 

    1. 2.結果説明

    検査申し込みから結果説明まで約2ヶ月かかります。治療に結びつく割合は約10%です。治療に結びつく薬剤が見つかった場合は、当院にて可能な治療は当院で行い、治験や臨床試験については大学病院やがんセンターへ紹介いたします。また、遺伝性腫瘍が疑われる結果であった場合は、当院の遺伝カウンセリング外来を紹介します。

    遺伝カウンセリング外来
    についてはこちら


    料金:保険診療の再診料、結果説明料など(3割負担で4万円弱)

    参考動画 


    1.がん遺伝子パネル検査について



    2.遺伝的背景とがんの関わりについて



    3.がんゲノム情報管理センターについて


    4.検査の意思決定について



    ※動画はがんゲノム情報管理センターが作成したものです。

    実績

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