うどんと糖尿病について
本日11月3日は文化の日です。管理栄養士としてはやはり「食文化」が気になるところです。
私の出身地は香川県なのですが、有名な食文化といいますとやはりうどんが挙げられるでしょう。

↑讃岐うどん(撮影:管理栄養士TM)。天ぷらも多種多様でおいしいです。
香川県においてうどんは安くて美味いファストフードといった感覚であり、老若男女問わず食べられているソウルフードでもあります。香川ではうどん屋さんがコンビニ並みに至る所にあるので、昼食はほぼ毎日食べる人も少なくなく、1日3回食べる方もおられます。最近ではうどんツアーも人気を博していますね。
かく言う私も学生時代に同じ部活動の友人たちと、自転車でうどんツアーをしたことがあります。このブログを書くにあたってその走行距離を振り返ったところ、自転車で1日58km移動したこともあったようです。高校生のパワーとうどんへの情熱、恐るべし…。
しかし香川県には管理栄養士として気になるトピックがもう一つあります。
それは糖尿病人口が非常に多い事です。
かねてから人口10万人あたりの糖尿病受療数(患者数)が多い事が問題視されており、加えてここ4年は糖尿病死亡率全国3位~2位を推移しています。

出典: 糖尿病死亡率・受療率について 香川県の現状 かがわ糖尿病予防ナビ 香川県公式HP https://www.pref.kagawa.lg.jp/documents/11259/r3jinnkoudoutaitoukei.pdf
そしてこの問題は香川県民のソウルフード、うどんとも密接に関わっています。
前述したように、香川県民はうどんを食べる頻度が非常に高いことに加え、うどんにおにぎりやいなり寿司を組み合わせる事も珍しくありません。うどんも米も、エネルギーのもとになる炭水化物が多く含まれており、炭水化物に偏った食事は血糖値の上昇を招きます。
糖尿病が進行すると合併症が現れます。糖尿病網膜症や糖尿病腎症、心筋梗塞や脳梗塞など、その合併症は多岐に渡ります。香川県民だけではなく、多くの人にとって注意すべき健康課題といえるでしょう。
では、私たちは健康のためにうどんを禁止しなければいけないのでしょうか?いえいえ、そんなことはありません。ポイントを押さえて食べる事で、糖尿病やその合併症を防ぐことが出来ます。
◎うどんと一緒に野菜を摂取しましょう。
うどん屋にはおでんが置かれているところもあります。冬になれば野菜たっぷりのしっぽくうどんもあります。炭水化物に偏らず、野菜を一緒に食べる事で、出来る限りバランスを整えるようにしましょう。
◎うどんの出汁を飲むのは控えましょう。
高血圧だと糖尿病の合併症がさらに生じやすくなります。塩分の過剰摂取は高血圧を促進しますので、塩分が多く含まれるうどんの出汁は飲み干さないようにしましょう。一口か二口程度で留められると良いですね。

↑かしわ天ざる(撮影:管理栄養士TM)。つゆを飲まないために、ざるうどんもおすすめです。
もちろん、うどん屋の中で野菜を揃えたりするのも限界があるので、うどん以外の様々なものを食べることも大切です。
本日挙げたポイントを押さえて、うどんのように太く長く生きていきましょう🍜
管理栄養士 TM