おすすめの教科書
2021.02.17ブログ
みなさんこんにちは.まるです.
医師国家試験を終えられたみなさん,お疲れさまでした.
国試が終わって,そろそろ初期研修に向けて教科書でも買おうかなという皆さんに向けて,
大変恐縮ではありますが,2年間の初期研修生活で役立った本を,ご紹介したいと思います.
「京都ERポケットブック」:主訴別に書いていて,危ないものから鑑別をどう絞っていくのかを書いてくれているので,とくに1年目の初めの方は,ホットラインがなってからの準備の段階でよく読んでいました.縫合の糸の選び方や骨折の対応などについても書いてあって役立ちました.
「当直医マニュアル」:診断がついてからの対応で非常に役立った印象です.例えば喘息の重症度判定やそれぞれの対応についてとか,覚えていられないけど重要なものがたくさん載っていました.マムシ咬傷などのレア疾患なども記載があるので,救急外来で困ったときの最後の砦的な使い方もしていました.
「急性腹症ブラッシュアップ」:当直していると腹痛はめっちゃ来るんですが,他の本で勉強していてもあんまりアウトラインがつかめなくて,この本で腹痛の鑑別の仕方を勉強しました.腹部はCTがすぐとれるので,ついつい画像で診断したくなっちゃいますが,鑑別疾患が絞れていない段階で画像を見てもわからないことが多く,いかに病歴と診察から絞っていくかが大事だなと痛感させられる本でした.
ちなみに救急外来で困る主訴でいえば,「めまい」もかなりの難敵なんですが,僕には「TiTrATE: A Novel Approach to Diagnosing Acute Dizziness and Vertigo」(英語論文)がしっくりきました.この鑑別方法はまだ一般的ではないのかもしれませんが,病歴聴取で何を聞かないといけないのか,頭部MRIを撮るべき病歴・身体所見が何なのか,なんとなく掴めるのではないかと思います.
「診察と手技がみえる vol.2」:たぶん研修医がやるような手技はだいたい全部載っているのではないでしょうか.僕は別の本を持っていたのですが,同期に借りてよく読んでいました.PICCについては記載がなかったように思いますが,当院であればエキスパートのT先生がいらっしゃるので大丈夫です.
「UCSFに学ぶできる内科医への近道」:困ったときにまず開いていました.鑑別疾患や対必要な検査,とるべき対応などを書いてくれているので,これを開けばとりあえずは動けます.詳しいことは内科診療フローチャートやUpToDateで調べればOK.
「内科診療フローチャート」:救急外来や病棟で困りそうな疾患について,エビデンスに基づいて診断から治療まで書いてくれています.僕は救急外来でもよく開いて読んでいました.たぶん一番読んだ本です.
「あてて見るだけ!劇的!救急エコー塾」:救急外来でよく使うエコーについて書かれています.救急外来に出る前にさっと読んでおくと役立つと思います.肺エコーや心機能のパッと見の評価など,これを読んでないと知らないこともたくさんありました.
抗菌薬については僕もまだわからないことだらけですが,実践のためにとりあえず持っておくべきは「感染症プラチナマニュアル」か「サンフォード」だと思います.あとは「Essential for resident」シリーズのを読んだりして,今は「抗菌薬の考え方・使い方」を読んでいますが,抗菌薬は奥が深いなと思います.「抗菌薬の使い方・考え方」は初学者では挫折してしまうかもしれませんが,とても面白いです.
病棟管理で2大困るのが輸液と栄養.とりあえず下のを読んでおくと,大外れはしないのではないかと思います.輸液レッスンは電解質異常についても書いてあって役立ちました.ちなみに当院T先生は栄養についてもエキスパートなので,栄養についてもとても教えてくださいます.
「シチュエーションで学ぶ輸液レッスン」
「治療に活かす!栄養療法はじめの一歩」
以上,2年間でよく使った教科書たちでした.本当は他にも読んでいて,役立った本はたくさんあるのですが,興味がある方はまた2/21のレジナビなどで聞いて頂いてもいいかもしれません.
と,一応宣伝をしておきます.
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