心臓血管内科

下肢救済 フットケア外来

2021/10/01

下肢救済 フットケア外来

 以前の桂ニュースにて、歩行時にふくらはぎが痛くなり休むと症状が改善するという間欠性跛行という症状について説明させて頂きました。これは足の血管の動脈硬化によって血流低下から生じる『閉塞性動脈硬化症』の主症状です。ではこの閉塞性動脈硬化症がさらに増悪した場合に起こる『重症下肢虚血という言葉をご存知でしょうか。
 合わない靴による物理的な刺激で起こる靴ずれからできるキズや巻き爪・陥入爪等経験されている方もおられるかと思います。閉塞性動脈硬化症の患者さんではこんな日常的なキズが悪化すると、足を切断しなければいけない状況になる場合や、さらには命に危険を及ぼす可能性がでてくるほど増悪することがあります。これは下肢の血流不足がキズの治りを遅くし悪化することが多く、このような病気を『重症下肢虚血』と呼びます。この『重症下肢虚血』は一度起こると、6か月後には約30%の方が下肢の切断となり、約20%の方が死に至ってしまうというデータもある非常に危険な病気です。
 近年、糖尿病、高血圧等の生活習慣病増加に伴い『重症下肢虚血』の患者さんが増加傾向にあります。そこで、京都桂病院では『歩ける足を守る』をテーマに循環器内科・形成外科・糖尿病内科・腎臓内科・皮膚科と科を超えて連携し、さらにコメディカルも交えたチーム医療を行うことで『重症下肢虚血』に対し、最善の治療を行うために、下肢救済・フットケア外来を毎週火曜日に開設致しました。
 
重症下肢虚血の患者さんには、血流状態を評価する足首・上腕血流比(ABI)検査やキズに向かう血流を評価する皮膚還流圧測定(SPP)検査、再発予防にむけた指導や外来での専門看護師によるフットケア、必要に応じて靴の調整や装具作成などを行っていきます。
 最後に皆さん一度足をじっくり見てみてください。糖尿病がある方は、足の神経の働きが低下することで、痛みが出にくいことから、キズに気が付くことができず、キズが重症化してから来院されるケースが多いです。なにか気になる足のキズがあれば小さなキズから診させていただきますのでお気軽に外来にお越しください。

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