東日本大震災から一年経ちました。それに引き続き起こった福島第一原子力発電所の事故の影響もあり、復旧復興はまだやっと緒に就いたばかりです。昨年は夏の台風でも紀伊半島で大災害が起きました。大きな災害が続いたため、災害への備えを今一度見直そうという気運がいろいろな分野で高まっています。京都桂病院でも災害への備えの見直しに取り組むため、平成24年度の行動方針は「災害への対応の強化」となりました。
「文明が進めば進むほど、天然の暴威による災害がその激烈の度をます」これは戦前の学者寺田寅彦の言葉です。今回の東日本大震災のような大きな自然災害でも、まだ文明が発達せず人々が山の洞窟で暮らしていたような時代に起きたのであれば、確かに大きな被害は出なかったのかもしれません。しかし新幹線が走り、海岸線近くに飛行場があり、電気を沢山使うように文明の発達した今の社会では、今回の自然災害のもたらした被害は想像を絶する激烈なものでした。人類は元の洞窟生活の時代に戻ることはできません。文明の進歩に伴い、自然災害に対して脆弱になっていくのは事実なので、その災害に前もって備えておくということがますます大切になってきています。
京都桂病院では、阪神淡路大震災や今回の東日本大震災でもほとんど被害を受けなかったと言われている中圧のガス管で供給されるガスを用いての、電気と熱を同時に発生させるコジェネレーション発電器が2台稼働しています。また京都桂病院には井戸が掘ってあり、水質検査もしています。地震に伴って水脈が変わらなければ、水も供給できるものと期待しています。地震は起こると甚大な被害を起こしますが、起きる確率は少なく、日常的に起こる確率の高い停電に備えておくことも非常に大切です。病院には電気で動く各種の生命維持装置に繋がれた患者さんが多数おられます。電気の供給を止めることはできません。コジェネレーション発電器は非常用電源としても機能しますが、関西電力からの電力供給が変電所や送電線のトラブルで止まった時の対応として、全く別ルートからの送電を今年度中に設置します。
実際の震災時に一つの病院でできることには限度があります。その時にも、地域の方々に安心しいただくには、地域にある医療施設が協力し合うことが大切です。西京だけでなく、京都市内、京都府内、できれば都道府県の境を越えた連携にも今年度中に取り組んでいきます。
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